13:マウンダー極小期、百貨店、遊戯王[saga]
2014/03/21(金) 23:42:08.86 ID:wiMAJbATo
お店を出て、右に曲がる。
まっすぐ行って、2番目の十字路を左へ。
そこからカラスが一回鳴くまでまっすぐ進んで、黒い猫が寝ているところを左へ。
それから今度はあくびをしている犬の前まで行って、犬の尻尾が向いている方へ進む――。
迷わず進む僕に、おじさんが声をかけてきた。
「すごいな。私には全然わからなかったのに」
感心しているおじさんに、得意そうに言ってやる。
「僕、迷路とか得意だもん。おかあさんもゴールできない迷路だってゴールできるんだ」
「そいつはすごい」
ほめられてすっかり嬉しくなった僕は、おじさんとお話をしながら行くことにした。
「おじさんは何を買うの?」
「私かい? 私はね、簡単に言えばお休みする権利を買うんだよ」
「おやすみする権利?」
よくわからなかった。
「そう。いっぱい働いたからね。そろそろお休みしても良いかなって思ったんだ」
「働いて貯まったお金を払っておやすみするってこと?」
「うん、そうだよ」
「変なの。じゃあ最初から働かないでおやすみしてたら良いのに」
僕の言葉におじさんはきょとんとしたが、やがて笑い出した。
「まったくもってその通りだね。でもおじさんが働かないと大変なことになっちゃうんだ。だからずっとはお休みできないんだよ」
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