過去ログ - 時雨「誰が為海原を駆ける」 -SS速報VIP

過去ログ - 時雨「誰が為海原を駆ける」

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1:以下、２０１３年にかわりまして２０１４年がお送りします[saga]
2014/03/21(金) 20:18:26.41 ID:VxbsuDn+0
乱暴な描写、ゲームの仕様を無視した描写あり
　※場合によっては死人も
行き当たりばったりで長編予定
軍事あんま詳しくない

　以上ががありならどうぞ

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2:以下、２０１３年にかわりまして２０１４年がお送りします[saga]
2014/03/21(金) 20:38:37.67 ID:VxbsuDn+0
　暖かさを感じさせない灰色い通路の中を、靴と地面が擦れる微かな音だけが響く。

　気温は低くない。が、この空間に対しては『冷たい』という印象を覚える。
　冬の大地が見せる、自然の厳しさを感じさせるような冷たさでなく、もっと無機質で無感情な。
　何も持たないからこそ感じる冷たさ。

3:以下、２０１３年にかわりまして２０１４年がお送りします[saga]
2014/03/21(金) 20:53:45.64 ID:VxbsuDn+0
　ふと、先程の断頭台という言葉を思い返す。

　その表現は、あながち間違いではないのかも。
　これから僕が赴くのは、文字通り死地。
　その第一歩になるかも知れないからだ。

4:入りなさいより入ってくださいの方が良かったかも[saga　]
2014/03/21(金) 21:11:49.47 ID:VxbsuDn+0
「ようこそ、我等が鎮守府へ」

　僅かな恐怖感と共に扉を開けた僕を出迎えたのは甲高い破裂音と、火薬の臭いだった。

「っ！？」

5:以下、２０１３年にかわりまして２０１４年がお送りします[saga]
2014/03/21(金) 21:28:44.23 ID:VxbsuDn+0
　取り敢えず、中に入る。
　隙を晒さないよう、一歩一歩慎重に。
　中に居た二人の様子を伺うのも忘れずに。

「そ、そこまで警戒しなくてもいいんじゃないかな」

6:以下、２０１３年にかわりまして２０１４年がお送りします[彼女→彼女等]
2014/03/21(金) 21:47:44.30 ID:VxbsuDn+0
「ああ、すまないな」

「全く、自分で掃除してくださいね…」

「……わかりました」

7:以下、２０１３年にかわりまして２０１４年がお送りします[saga]
2014/03/21(金) 22:06:58.62 ID:VxbsuDn+0
「……高雄？」

　聞き覚えがあった。高雄と言えば確か……

「ええ、そうです。高雄型重巡洋艦一番艦、高雄。あなた方と同じ艦娘です」

8:以下、２０１３年にかわりまして２０１４年がお送りします[saga]
2014/03/21(金) 23:03:42.10 ID:VxbsuDn+0
「はっはっは！雷よ、そうむくれるな。母港に行けば第六駆逐隊の面々と再開出来ることだろう」

「司令官！それは本当！？」

「本当だとも……はっはっは！」

9:以下、２０１３年にかわりまして２０１４年がお送りします[saga]
2014/03/21(金) 23:22:23.71 ID:VxbsuDn+0
　僕は提督という存在に対して、もっと違うイメージを持っていた。

　例えばエリート然とした青年。

　きっと生真面目で、若さ故周りの助けを借りながらも立派に司令官を成し遂げてくれるのだろう。

10:以下、２０１３年にかわりまして２０１４年がお送りします[sage]
2014/03/21(金) 23:42:59.86 ID:dqKd802AO
艦ｺﾚか

11:以下、２０１３年にかわりまして２０１４年がお送りします[saga]
2014/03/22(土) 08:34:43.77 ID:75dMSdpz0
　それからしばらく、また無機質な通路を歩いた。
　お互いのこと、この鎮守府のこと。
　そしてあの提督の事を話ながらゆっくりと。
　冷たさは感じなかった。きっと一人ではなかったからだろう。

12:以下、２０１３年にかわりまして２０１４年がお送りします[saga]
2014/03/22(土) 09:03:26.30 ID:75dMSdpz0
　二人が母港への入り口を開けるのを躊躇っていたため、しびれを切らした僕が扉を開ける。　
　母港。というと僕が記憶しているのはまさしくでかい物入れといったような、必要なスペースのみを確保した窮屈な空間だ。
　僕達はこんな姿をとっているとはいえ曲がりなりにも兵器だ。当然そんな扱いを受けてもおかしくはない。
　はたしてこの鎮守府ではどうか。
　高雄さんを見る限り冷遇はされていないと思うけど。

13:以下、２０１３年にかわりまして２０１４年がお送りします[saga]
2014/03/22(土) 09:20:41.37 ID:75dMSdpz0
「返事は一流だなぁ！」

「「「はいっ！」」」

「よーし！よく聞けお前等……俺の名は……」

14:以下、２０１３年にかわりまして２０１４年がお送りします[saga]
2014/03/22(土) 10:06:44.40 ID:75dMSdpz0
「お前等少しは黙───」
「お前が黙っていろという話をしてるんだ」

　天龍さんが再び竹刀を振り上げると、何時の間にか背後に忍び寄っていた女性に後頭部を軽く叩かれた。
　いい音が鳴った。叩き慣れているのだろうか。

15:以下、２０１３年にかわりまして２０１４年がお送りします[saga]
2014/03/22(土) 13:03:48.73 ID:75dMSdpz0

　怒られない程度に早足で、母港の通路を行く。
　……まぁ、母港というよりは、寮と言った方がしっくりくるのだけれど。

16:以下、２０１３年にかわりまして２０１４年がお送りします[saga]
2014/03/22(土) 18:33:53.26 ID:7GNdQ3pS0
「雷、途中どんな人と会った？

「あ……ここに来ることしか考えてなかったの……」

「どんな人が居たか覚えてないのですか？」

17:以下、２０１３年にかわりまして２０１４年がお送りします[saga]
2014/03/22(土) 20:35:02.70 ID:7GNdQ3pS0

「ここで間違いないっぽい？」

18:以下、２０１３年にかわりまして２０１４年がお送りします[saga]
2014/03/23(日) 16:23:44.03 ID:F/kgkD5W0
「それで、どう？」

「どうって、何？」

　白露と夕立がひどく抽象的な問答をする。

19:以下、２０１３年にかわりまして２０１４年がお送りします[saga]
2014/03/23(日) 21:29:45.10 ID:F/kgkD5W0
「あ、でもここなら結構規模も大きいし、馴染みの皆も居るかもね」

「へぇ」

　この鎮守府、規模が大きかったのか。

20:以下、２０１３年にかわりまして２０１４年がお送りします[saga]
2014/03/23(日) 22:12:45.17 ID:F/kgkD5W0

　日はどっぷりと水平線の向こうに沈み、僅かな街灯のみが辺りを照らす時間帯。
　それはこの部屋の中でも例外ではなく、白い光を放っていた円環状の蛍光灯は既に消え失せ、小さな豆電球が優しい橙色の光で僕達の寝顔を照らす。

21:以下、２０１３年にかわりまして２０１４年がお送りします[saga]
2014/03/23(日) 23:31:45.79 ID:F/kgkD5W0
　

　あたしがいつも起きるのは目覚ましをセットした時間の、その十分前。

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