8: ◆ng2Oz8aFCM[saga]
2014/03/25(火) 22:40:09.63 ID:7dJgv5JR0
ちひろ「お帰りなさい。顔が赤いけれど、どうしたの?」
みく「にゃっ!? な、なんでもないにゃ〜♪」
あわてて取り繕う。笑顔がひきつっていたかもしれない。ちひろチャンは眉をひそめ、訝しげにみくを見ていた。
ちひろ「……最近、みくちゃんの様子がおかしいのは知ってますよ。何でも相談に乗るから、言ってみて?」
ぎくり、と背中に冷たいものが流れた。言い訳をしようと口を開くが、声がかすれて出ない。
思わず伸ばした右手も、やり場を失ってにぎにぎとしている。
人間、咄嗟に何かを言おうとしても出ないものなのかと、半ば他人事のように感じていた。
もう言うしかない。このまま決壊ギリギリの想いを抱えていては、いつかボロが出るだろうとは考えていた。
ジュースでいっぱいのコップの中にさらに注ごうとするようなものだ。誰も飲んでくれないのに注いでしまえば、一気にこぼれてしまう。
そうすれば遅かれ早かれ、あの人には気づかれてしまうから。
だったらせめて、あの人にバレる前に相談しよう。そうして、コップの容積を広げよう。
心に決めた。
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