40:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/26(水) 20:31:07.50 ID:NrmcVnPo0
肇は変わらず俺に微笑みかけていた。
まるでその表情は、俺の全てを掌握している余裕の様にも感じられた。
「こんなところかな。夜遅くなるようなら送っていくから」
「でしたら、送ってもらってもいいでしょうか。明るくなってきたとはいえ、一人では不安ですから…」
「ああ、わかったよ。行きはタクシーを手配してあるから、終わるころには迎えに行く」
「よろしくお願いします」
肇は俺にぺこりとお辞儀をしながらその場から去った。
肇の言葉からも、遠ざかる背中からも俺は何も読み取ることは出来なかった。
だけど、俺は確かめる術を持っている。俺達は獣じゃなく人間だ。言葉というものを持っている。
俺なんかじゃ想像も出来ないような失敗と苦労を経て先人たちが編み出した高尚な手段に、酷く小さな気苦労と葛藤を携える今の俺は縋る事しか出来ない。
68Res/37.09 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。