過去ログ - 【艦これ】提督「そしていつかは」隼鷹「夢見た航路を二人で」
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◆1aois5N.L2
[saga]
2014/03/29(土) 21:00:57.39 ID:4As/q9du0
次に提督が隼鷹の元を訪れたとき、既に季節は巡って晩秋に差し掛かっていた。
冬の気配は徐々に強まり、夜ともなれば肌寒さが身に染みる。思わず身震いしながらも、提督は埠頭を袋を下げて歩いていた。
打ち寄せる波が静かなためか、足を投げ出すようにして、隼鷹は埠頭の先に腰かけている。
提督は、少しためらいを感じ、しかしいつものように彼女を呼んだ。
提督「隼鷹」
隼鷹「お、待ってたよ。提督」
相変わらず、隼鷹の傍らには松葉杖があった。
それを一度だけちらりと見た提督は、隣へと腰を下ろした。
そして、持参した袋から大きめの瓶を取り出した。
隼鷹「提督、それって……」
提督「秘蔵の大吟醸だ……屋敷の地下で見つけたんだ。多分、祖父のだろう」
隼鷹「提督の爺さんの?」
提督「ああ……間違いなくな。何かと隠し事の多い祖父だったが、まさかこんな一品まで隠しているとは」
提督「私が提督に昇格した時だって、こんな上等なのは飲んだことがなかった。あの狸ジジイめ、独占する気だったな」
用意していた猪口の一つを隼鷹の手に押し付けると、提督はそれに静かに酒を注いでいく。
芳醇な香りが潮の香りを塗り替えて鼻孔を刺激し、思わず隼鷹の口もほころんだ。
元来、酒に目がないのが隼鷹だ。それは提督も同じだ。親しくなったきっかけは、酒が要因だった。
食指が動かないはずがなかった。
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