35: ◆InfI0vlg76
2014/04/01(火) 12:26:31.09 ID:V7PLv1990
佐天は慌てて顔を上げて、
「あ、いえ!」
なんでもないです、と言おうとした瞬間、頭がざわついた。
この感覚は知っている。嘘をつこうとしたときや曖昧に誤魔化そうとしたときに必ず走る、――自動で能力が発動する感覚だ。
(だめ!使っちゃダメだ、あたし!)
『能力の有無に関わらず自分は人を騙したいと願っている』――あの夢で、もう一人の自分が言った言葉だ。
佐天はそれを否定したい。でも、否定できない。だから、否定できるようになろうと思ったのだ。
能力を絶対に使わない、使おうともしない。そうすれば人を騙さずに正直に生きていけるかな、と。
「それにしても、学園都市で詐欺なんて」
「?…まあ、珍しいですわね。正直大人の少ないこの学園では、詐欺をする側の年齢も低くなりますから。必然的にボロを出しやすくなりますの」
つまり、今まで詐欺が少なかったのは単純に捕まるリスクが高いから、ということらしい。
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