過去ログ - 穏乃「麻雀に、おかしなことはつきものだ」
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186: ◆k1tEJoGb4VEz[saga]
2014/12/29(月) 22:23:18.48 ID:lNL4y79Zo

「……そういえば、穏乃ちゃんと始めて話したのも、あの温室だったね」

「ああ。ですね」

 一週間前の日曜日、私はふらっと立ち寄った温室で松実宥さんと出会った。
 出会って――彼女の抱える問題を解決した。
 怪異を解決した。

 いや、決して解決したといえるほど、めでたしめでたしな結末ではない。
 怪異を退治して、それで全てが元通りになるなんていうことはなかった。
 問題そのものをどうにかしたところで、その問題が及ぼした影響は決して消えない。

 だが少なくとも。
 今、確かに彼女がここにいるという事実だけは、代え難いものであった。
 だから。

「宥さんと、出会えて良かった」

「…………え?」

 あ。
 思わず口に出してしまった。
 なんてことを口走ってるんだ私は。完全に口説き文句だこれ。

「いやあのですねその、変な意味じゃなくて純粋に宥さんと仲良くなれてよかったというかええと…」

 恥ずかしさと混乱でうまく言葉がまとまらない。
 ああ、これじゃ余計に誤解を招くだけじゃないか。
 もういっそここで好きです結婚してくださいと告白して玉砕した方がマシまである。玉砕しちゃうのかよ。

「私も、だよ」

「え?」

「私も、穏乃ちゃんと出会えて、すごく…嬉しいよ?」

 Q:天使をみたことある?
 A:目の前にいた。
 ビックリした、あまりの宥さんの可愛さに心臓が止まるかと思った。ふう、危ない危ない。思わず昇天してしまうところだったよ。

 ――でも。
 私との出会いが、多くの物を失ってしまった彼女にとっての、価値のあるものになったとしたら。
 それはとても、喜ばしいことだと思った。



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