1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/08(火) 21:36:10.11 ID:2bCQac2f0
化物語×アイマスです。
化物語は終物語(下)まで。
細かい点等あまり考えてないのでご容赦を。
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/08(火) 21:37:20.94 ID:2bCQac2f0
無機質な音が室内に響いていた。
それは決して大きな音ではないのだが、全員が仕事に打ち込んでいるこの状況ではやけに際立って聞こえる。
マウスをクリックする音。
キーボードを打鍵する音。
時折鳴る電話の音。
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/08(火) 21:39:30.61 ID:2bCQac2f0
「く……」
眠気ほど抗い難い欲求はないだろう、と僕は思う。
人は一カ月食べずとも水さえあれば生きられるらしい。『お腹がすいた』という欲求は人にもよるがある程度は我慢出来る類のものだろう。性欲に関しては諸説あるだろうが、最悪、無くなっても死ぬことはない。
だが睡眠欲だけは別だ。奴は意識そのものをジャックしてくる。現時点で僕の視界は三重くらいに歪み、意識は夢うつつで覚束ない。
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/08(火) 21:41:18.72 ID:2bCQac2f0
「プロデューサー? 今はおねむの時間ではありませんよ?」
「あ、あぁ……悪い、秋月」
口調こそ柔らかで表情も笑顔だが、秋月はこういう時が一番怖い。
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/08(火) 21:43:32.03 ID:2bCQac2f0
「どうせ『秋月も事務服着ればいいのに』とかでしょう、顔に出てますよ」
「ふん、まだまだ甘いな秋月。音無さんのようにミニスカとニーソックスを履いて出直せ」
呆れ顔で仕事に戻る秋月。しかし恐るべしはその洞察力だ。そのメガネと言い髪型と言い、出会った頃の羽川を思い出すじゃないか。
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/08(火) 21:45:08.51 ID:2bCQac2f0
「あ、あのプロデューサー」
「ん? どうした如月」
如月の顔が赤い。
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/08(火) 21:46:48.61 ID:2bCQac2f0
「ごめんなさい、律子。心配を掛けてしまって」
「いいのよ、無事だったのなら。それより事情を話してもらえる?」
「……実は、病気と言うのは嘘で……その、問題を抱えてしまって」
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/08(火) 21:50:24.78 ID:2bCQac2f0
「そう……結果としては良かったかも知れないけれど、次からはどんな事でも相談して」
「……」
「約束して」
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/08(火) 21:52:01.90 ID:2bCQac2f0
「ぷ、プロデューサー」
「ん?」
「あ、あの……良かったら、その、本当に良かったらなんですけど」
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/08(火) 21:54:43.66 ID:2bCQac2f0
ひたぎがご飯を作りに来てくれる――――なんて甘々チックな展開は半年経った今も発生していない。何処かでフラグを立て忘れてしまったらしい。
なので如月の申し出は素直に嬉しかった。
お礼を言われるほどの事はしていないつもりだけれど、これ位は役得として受け取っておこう。何せアイドルの手作り弁当だ。この機会を逃したら一生食べられないレベルのレアアイテムじゃないか。
コンビニ弁当とのレアリティの差で言えば羽川の胸と妹の胸、SRとNくらいの差がある。
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/08(火) 21:57:15.27 ID:2bCQac2f0
「プロデューサー!」
「うおっ!?」
突然、秋月に胸倉を掴まれる僕。
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/08(火) 22:10:26.35 ID:2bCQac2f0
002
今顧みるに、如月千早が『怪異』――に見舞われた兆候は確かにあったのだ。
あったのだが、それに気付けと言うのも無茶な話のように思える。
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/08(火) 22:15:14.51 ID:2bCQac2f0
「え……そうかしら」
時を過去に戻すこと十日前。
事務所で天海自作のクッキーをお茶請けに、三人は小粋にもお茶会を開いていた。三人、という人数に僕は含まれていない。
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/08(火) 22:17:45.45 ID:2bCQac2f0
それより菊地の件も含め、彼女たちは僕の存在を認識していないのだろうか?
考えてもみてほしい。
『○○ちゃん、胸大きくなった?』
なんて女子トーク全開の場に、僕のような成人男性がいていい筈がないのだ。
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/08(火) 22:20:38.63 ID:2bCQac2f0
「プロデューサー、今のはないですよ……」
心底呆れ顔でのたまう菊地。
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/08(火) 22:23:41.30 ID:2bCQac2f0
「それ、犯罪ですよね?」
「逆に警戒レベルがアップしただけなんですけど」
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/08(火) 22:27:33.35 ID:2bCQac2f0
「でも、少なくとも私にはそういうコミュニケーションはやめてくださいね」
「あ、あぁ。勿論だ」
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/08(火) 22:29:31.21 ID:2bCQac2f0
「あ、しまった。つい口に」
「ベタすぎる……」
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/08(火) 22:32:17.02 ID:2bCQac2f0
「揉ませろー!」
「触らせろー!」
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/08(火) 22:36:30.01 ID:2bCQac2f0
「天海ぃ!!」
我慢の限界だった。
僕は今までにない位の真面目な顔と大声で天海の名前を呼ぶ。
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/08(火) 22:41:31.59 ID:2bCQac2f0
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