過去ログ - 幼馴染「いつまでも変わらないよ」
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1: ◆ljWAPJyDi/P/[saga]
2014/04/09(水) 19:20:42.97 ID:OaDedUEo0
男「ひっこしって、なーに?」

まだ無邪気だったころの僕は、母の顔を見上げた。
母さんは申し訳なさそうな顔だったけど、口元だけは辛うじて笑っていた。
そして、労るように俺の肩にそっと手を置いた。

男母「それはね、遠く、遠くに行っちゃうこと。みんなと離ればなれになっちゃうことなのよ」

それは当時の僕にとっては、残酷な言葉だった。

男「いやだ!そんなのいやだよ!」

まるで決められた運命に逆らうかのように、僕はジタバタと暴れた。
ずっと過ごしてきたこの場所を離れるのは、いやだった。
仲のいい友達と離れ離れになるのは、いやだった。
気がつけば、涙で視界がぼやけていた。

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2: ◆ljWAPJyDi/P/[saga]
2014/04/09(水) 19:24:07.83 ID:OaDedUEo0
男母「ごめん……ごめんね」

ふいにあったかくて柔らかい感触に包まれたと思ったそのときには、母さんに強く抱きし
められていた。
母さんの声は少しだけ震えているみたいだった。
以下略



3: ◆ljWAPJyDi/P/[saga]
2014/04/09(水) 19:27:11.54 ID:OaDedUEo0
靴をはいて外に出ると、夕焼けが町全体をオレンジ色に染めていた。
どんよりとした気持ちを引きずって、僕は幼馴染ちゃんの家に向かった。
おそるおそると、震える指でベルを鳴らすと元気な声が聞こえてきた。

幼馴染「はーい!」
以下略



4: ◆ljWAPJyDi/P/[saga]
2014/04/09(水) 19:29:50.59 ID:OaDedUEo0
幼馴染ちゃんは、僕がだれかにからかわれたと勘違いしたんだろう。
もしそうだったら、どれだけよかっただろう。
もしそうだったら、どれだけ僕は喜んだことだろう。

男「ぼくね……ひっこし、することになったんだよ」
以下略



5: ◆ljWAPJyDi/P/[saga]
2014/04/09(水) 19:32:05.88 ID:OaDedUEo0
幼馴染「ゆるせない……!」

男「え?」

幼馴染「おとこっ!」
以下略



6: ◆ljWAPJyDi/P/[saga]
2014/04/09(水) 19:35:30.58 ID:OaDedUEo0
男「お、おかあさんしんぱいするよ!おさななじみちゃんのおかあさんだって!」

幼馴染ちゃんは急に立ち止まった。
それから、僕のほっぺを横にグイッと引っ張った。
幼馴染ちゃんは力が強かったから、ものすごく痛かった。
以下略



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