19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/10(木) 18:48:34.68 ID:pG5fqgIz0
ふと口を突いて出た言葉は、否定して欲しい意志が込められていたのだと思う。
「ええ、僕の扱いはひどい癖に心配性な彼女でして」
やめて。
「まあでも、五年近く付き合ってますから――」
やめて。
「三浦さんは、恋人に出会う為にアイドルになったんですよね?」
やめて。
「アイドルに恋愛はご法度ですけど、女の子に恋をするなって言うのも酷な話ですよね――」
「やめて」
「えっ――三浦さん!!」
プロデューサーさんの声に反応し顔を上げると、目の前には巨大なトラックが猛スピードで突っ込んでくるところだった。
もう避けることも逃げることもできない、どうしようもない距離。
プロデューサーさんが、無駄だとわかっていても私を庇うように覆い被さってくる。
その行為を、迫り来る確定的な死を待つ間 、少しだけ嬉しいと思ってしまう私は、やっぱり最低だ。
ひとつの恋もせず終わりかぁ――ちょっと、寂しいな。
「――――あら?」
時間が止まったかと錯覚する程にゆっくりと動く景色の中、目の前に突如として先程のクラゲが現れたのです。
誘われるように手を伸ばすと、私の意識はぷつりと途切れるのでした。
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