過去ログ - 男「俺、お前が」幼馴染「……うん」
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37:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/04/13(日) 11:01:22.21 ID:n+XiapiF0
男は喧嘩をしたことが数えるほどしかない。
その喧嘩も友達とした、他愛のないもの。
血を流すような喧嘩は一度もなかった。

だから、当たり前に殴られた。
好き放題に殴られた。
殴り返しても避けられて、気づけば地面に寝ている。

それでも立ち上がり、殴りかかる。
どうして自分が相手に苛立っているのか、理由の一つも浮かばない。
殴られすぎて、ぼんやりと揺らいだ意識では思考もたどたどしい。

そして男は派手に吹っ飛んだ。
いいのを一撃貰ったのだと感じた。
いよいよ足に力が入らなかった。

男(半殺しって、どんだけ殴られんのかな)

痛みが麻痺しているようで、していないようで。
ずきずきと唸る割には鈍く重い。

不思議と次はなかった。
立ち上がれない自分に興味を失くしたのか、と考えて。
強張っていた力を抜く。

子供の泣き声が耳についた。
それは幼き日の思い出が、静かに繰り返されたものだった。

思い出の中で泣く女の子と、宥める男の子がいた。
自分と幼馴染だと気づくのに時間は必要なかった。





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