過去ログ - 日向「強くてニューゲーム2」
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22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/04/15(火) 05:55:08.69 ID:fX5a1w8N0
土井雫(女子10番)はその小さな手にボウガンを持っていた。
 

教室を出て、雫はすぐにデイパックのジッパーを開けた。

怖い…怖いよ…誰かが襲ってきたらどうしよう…?
その時、丸腰だったら危険だから、とにかく何か武器を…

中から何かゴツい感じの弓に銃とかの引き金がついたような物が出てきた。 最初はよくわからなかったが、少し明かりがついている廊下で説明書を読むと、なかなか扱いやすそうなものだった。 扱いたくはなかったけれど。

「早く行け!」

見張りの兵隊が雫にマシンガンの銃口を向けた。

「ひ…っ!」

雫は慌てて荷物をまとめて、立ち上がった。

 

この武器を使う機会がありませんように…

雫は必死に祈った。祈りながらゆっくりと廊下を進んだ。
出口が近づいてきたあたりで、雫は足を止めた。

誰かがいる…誰…?

ボウガンを握った手がガタガタ震えた。

「だ…誰?誰なの…?」

雫は震える声で訊いた。

女の子、女の子ならいい…。女の子なら大丈夫だ、きっとやる気じゃない…

「その声…お前、土井か…?」

雫は目を見開いた。

女の子ではなかった。 男の子だ。
しかも、幼馴染の堤良樹(男子10番)ではない。
良樹より6分前に、震えながら慌てて出て行った、勢多翼(男子8番)だ。

「おい…お前、何持ってるんだよ…?」

翼がゆっくり近づいてきた。雫はゆっくりと下がった。「嫌だよ…来ないでぇ…」震える手でしっかりと握ったボウガンを翼の方に向けた。 翼が足の動きを止めた。「土井…オレを…[ピーーー]…のか…? やる気なんだな…?」翼の右手に握られたカッターナイフの刃が月の光に反射して、鈍く光った。「ち…違う! やだ…! 違うよぉ…!」どんなに言っても翼の耳には届いていなかった。「やる気なんだろ? そうなんだろ…? う…うわあぁぁぁぁぁぁ!!」翼がカッターを振り上げ、雫に向かってきた。「きゃあああああ!!」雫は泣き叫び、翼の横を抜けて外へ出た。 その時にカッターの刃が雫の頬をかすめた。 翼が振り返り、再び雫の方へ向かってきた。「オレは死にたくない! 死んでたまるかあぁぁぁぁ!!」カッターを振り上げ、走ってくる。 さすがサッカー部FW、速い。距離がだんだん狭くなる。襲ってくる。あたしを[ピーーー]ために…「やだあぁぁぁぁぁぁ!!」雫は無我夢中でボウガンの引き金を引いた。 その反動でしりもちをついた。勢多君は…?ゆっくり視線を翼の方へ向けた。翼の首に何かが刺さっている。あれは…あたしが撃ったボウガンの矢!?「土…井……や…っぱ…り…」それだけ言うと、翼は前のめりに倒れた。雫は恐る恐る翼に近づき、そして目を見開いた。 首にはしっかり矢が刺さっていて、地面にはゆるゆると血が流れ出していた。「いやああああああ!!」雫の目から涙がぼろぼろ流れた。あたしは…あたしは人を殺した…!あたしは人殺し!人殺し!人殺し!ヒトゴロシ!!「雫!」茂みから幼馴染の堤良樹が出てきた。良樹君は見たんだ!あたしが勢多君を殺したところを!どうしよう!どうしよう!まさかあたしを[ピーーー]気なんじゃ…



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