234:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/06/30(月) 09:19:18.46 ID:aFMIt3ru0
「へぇ、与一君って言うんだぁ」
そう言うのは先程PDAを持ってオドオドしていた女性だった。最初は与一の事を警戒していたが、自分達と同じ首輪、同じPDAを持っていたことに気づき、自分達と同じ境遇と知り、信用して貰えた。それから、自己紹介するため、他の部屋へ移った。
「あ、私の名前はね、田崎愛子(たざき・まなこ)って言うの。職業は、メイド喫茶のメイドさんやってます。よろしくね」「あ、ど、どうも」
愛子がお辞儀をし、与一も反射的にお辞儀してしまった。「あ、次は私!」
そう言って手を挙げてブンブン振り回すのはギャルっぽい女だった。
「風見友梨(かざみ・ゆり)っていいまーす。17の女子高生でーす!よろしくー!」「あ…あぁ。よろしく……」
友梨の自己紹介が終わると今度は小さな女の子が立ち上がった。
「わたしも、じこしょうかいするね!よしやま、かずみっていうの!しょうがくいちねんせいなんだ!」
かずみは無邪気に笑った。それをみて、与一も愛子も他の人たちもつられて笑った。しかし、そうでない人もいた。
「次は俺だな。」今度は体格のいい男が立ち上がった。
「俺の名前は、津和野俊之(つわの・としゆき)。職業は……工場の作業員だ」
それだけ言って、男はまた座った。何だか恐そうな人だな……。与一はそう思った。
「えーと、じゃあ、次は僕でいいかな?」「うん、どうぞー。」
愛子がそう言うと眼鏡をかけた少年が立ち上がった。
「僕の名前は、桃園時智太郎(とうえんじ・ともたろう)。中学三年です」
軽く頭を下げ、智太郎は座った。そう言えば、自分のクラスにもあんな奴いたな。与一がそんなことを思い出してたとき、智太郎が言った。
「ねえ皆さん。自己紹介も終わりましたし、これからルールについて確認してみません?」「ルール確認?」
愛子と一美が首を傾げた。「ああ、二人はまだPDAの電源を入れてませんでしたね。」
智太郎は上着のポケットからPDAを取り出した。
「下部分にボタンがありますよね。そこ押してください。」「えーと、こう?」「えい!」二人はPDAのボタンを押す。すると、二人のPDAの画面が光った。「あ、電源入った!」「では、次に「ルール閲覧」ってところを軽くタッチしてください。」「ここかな?」ピッ。ピッ。愛子と一美がルール閲覧のボタンを押すと、画面が切り替わった。
「あっ!出来たよ!「わたしも!」「二人とも出来たようですし、僕たちもルール確認してみましょうか。」
「ほら、PDAの裏ををみて」
女に言われ、与一はPDAを裏返す。
そこには、見たこともない絵が描かれていた。
「……その絵は、タロットカードの『正義』だね。」
与一のPDAを覗き込んだ愛子が言った。
「え?」「あれ?タロットカード知らないの?」「えと、聞いたことはあるんですけど、詳しくは……」
ドォォオオオン!!
「なっ!?」「きゃっ!!」
突然、大きな音が聞こえた。
「そ……その人……」
死体を見て、愛子は震える声で言った。
「知ってんのか?」
津和野俊之の問いに愛子はゆっくりと頷く。
「その人……春影司馬太郎(はるかげ・しばたろう)……私が勤めてる喫茶店の常連客なの」「ちょ、首から上がないのに何でわかんのよ!」「ネクタイ……」
「はっ?」
「
「と、取り敢えず、もどーー」
一旦、もとの部屋へ戻ろうとして、与一は気づいた。宜山一美が、何処にもいないことに。
「あ……れ?一美ちゃんは?」「え?あっ、一美ちゃん?」
生き残りプレイヤー・残り21人
472Res/399.95 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。