298:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/06/30(月) 10:04:21.75 ID:aFMIt3ru0
04話
青島帝(男子1番)は教室から出た後、すぐに階段を降り、1号館を出た。
首を左右に振り、取り敢えず右方向へ走った。
少しぐらいして、ある建物を見つけた。
2号館だ。
帝は2号館へ入ると、4階まで一気に駆け上がり、男子トイレの一番奥の個室に入り、鍵をかけた。
「ぜぇ……はぁ……」
一旦呼吸を整え、デイパックを開けた。
デイパックにはあの担当教官の言う通り、地図、名簿、ペン、懐中電灯、食パン、水のペットボトル、そしてーーー。
「ん、ん……?」
指に何かが当たった。
それを掴み、引っ張り出す。
ーーークリップだった。
「は、ぁ……?」
帝は唖然とした。
何、これ?
クリップ?
クリップ、だよね?
何で?
もしかして、これが、俺の武器?
そして、一気に絶望に包まれた。
帝は野球部に所属しており、体力や身体能力にはそこそこ自信がある。
しかし、殺し合いとなれば話は別だ。
銃やマシンガンでは絶対に勝てない。
「どうしたらいいんだよ……」
もうどうしようも出来ず、うずくまる。
そのときだった。
銃声が鳴った。
浮田巧(男子3番)は腕が震え、大型拳銃、S&Wをカシャンと落とした。
足元にはクラスメイトのーーー枝地拓也(男子4番)が額から血を流しながら倒れていた。
そう、殺した。
殺してしまった。
俺は、ただ、話かけただけなのに。
そう、話かけただけ。
しかし、拓也は巧の持ってる銃を見て、巧がやる気だと勘違いした。
そして、出刃包丁を取り出し、襲いかかってきた。
巧は、拓也を咄嗟に撃ってしまった。
銃弾は、運悪く、拓也の額を貫いてしまった。
「お、俺は悪くない!」
そう、自分は悪くない。
話かけただけだ。
話かけただけなのに拓也は自分を殺そうとした。
これは、正当防衛だ。
「悪くない、悪くない、悪くない、悪くない……」
何度も呟きながら、落としたS&Wを拾い、巧は何処かへ走り去って行った。
男子4番枝地拓也 死亡
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