300:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/06/30(月) 10:05:48.04 ID:aFMIt3ru0
06
「奈美……?」
1号館に出た直後、海堂和巳(男子6番)はポツリと呟いた。
何処かで恋人の牛原奈美(女子4番)が死んだ。
そんな気がした。
俺の気のせい、かな?
でも、何だろうこの胸騒ぎは。
いや、あり得ない。
奈美が死ぬはずないんだ!
「奈美が、死ぬわけないんだ!」
何度もそう言いながら和巳は走った。
奈美を探すために。
和巳は走り続けた。奈美を探すために。奈美に会うために。それから数十分程走り続けたが、奈美は見つからなかった。
「奈美……何処にいるんだ……?」
奈美、お願いだから無事でいてくれ……!
その時だった。
ーーー和巳。
「奈美!?」
奈美の声が聴こえ、周囲を見回す。しかし、奈美の姿は無かった。
「気のせい、か?」
ーーー違うわ、和巳。私はここにいるわ。
「奈美!? 一体何処にいるんだ!」
ーーー和巳、私はこっちにいるわ。こっちに来て。
「こっちって……」
暫くすると北の方から奈美の声がした。
ーーー和巳、こっち。北よ。 北の方よ。
「北、だな。 よし」
奈美の言葉を信じ、和巳は北へ走った。
ーーーそう、和巳。こっちよ。
首輪から変な音がしたが、和巳は気にせず歩き続けた。
奈美、待ってろ。もうすぐ会えるからな。だからーーー。
ドン、と首輪が爆発
「男子6番の死亡が確認されました」
海堂和巳の死の報告を受け、女は素早く報告書を書き上げた。
「それにしても……」
一人の兵士が言った。
「男子6番は何がしたかったんでしょうね。 何か女子4番の名前を何度も呟いてた見たいですけど」「ふふ、知らないの? 海堂君はね。 薬物依存症なのよ。 ここ暫く薬物はやってなかったみたい。 だから聴こえたのよ、牛原奈美の幻聴が」
ふふ、と笑い、女はカップに残ってるコーヒーを全部飲み干した。
男子6番海堂和巳 死亡
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