342:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/06/30(月) 10:36:43.78 ID:aFMIt3ru0
この島には東西南北全てに灯台がある。
そのうちの一つ、南の灯台では吉田茉祐子(女子22番)と湯川希(女子20番)が隠れていた。
「ねえ、まゆちゃん……私達、生き延びられるかな……?」
「大丈夫だよ麗華がいれば何とかなるもん」
不安になる希を励ますも、茉祐子自身も不安になりつつあった。
というのも、今さっき銃声が聞こえたからだ。
ーー今の銃声……やっぱやる気の人がいるんだね。
そのとき、今まで椅子に腰掛けていた希が立ち上がった。
「希?」
「……まゆ、ちゃん……私、恐いの」
希はじっと茉祐子を見つめた。
茉祐子も希をじっと見てーー背筋が凍りついたような感覚が襲った。
ーー希?
まさか、そんな……。
そんなはずない。
希は気が弱いけど、心優しく、命の大切さをよく理解している少女だ。
その彼女がやるはずない。
そう、きっと自分の気のせいだ。
しかし、その淡い期待はすぐに消えた。
「……私……死にたく、ないよ……だから、まゆちゃん」
希は茉祐子に飛び掛かり、押し倒すと、首に手をかけた。
「っ!」
「死んで」
希は手に力を込めた。
ーー何で……希……
あんた、こんなことする奴じゃない、って思ってたのに……。
な……んで……?
何とか逃れようとするが、バレー部の希と無所属の茉祐子、どちらが勝つのか一目瞭然だった。
「……ごめんなさい、まゆちゃん」
茉祐子の首を締めてから数分後、ようやく希は手を離した。
茉祐子は白目を剥き、泡を吹き、もう生きてないことが分かった。
「……ごめんなさい、ホントにごめんなさい」
何度も謝りながら、希は立ち上がり、二人分のデイパックを掴むと、扉へ向かった。
「……ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさーーー」
何度も謝りながら、扉を開けーー硬直した。
目の前に、仮面をつけた人物がいた。
「えーーー」
仮面をつけた人物は黒い物体を希に向けーーーその物体から光が瞬いた。
瞬間、物凄い音と共に全身に激痛が走った。
「あがっ……」
ぐるりと一回転し、希は地面に伏した。
「…………」
仮面の人物は倒れた希に目もくれず、二人分のデイパックを漁った。
出てきたのは火炎瓶と、手斧だった。
仮面の人物はそれらを人物のデイパックに入れると、灯台から去っていった。
女子20番湯川希 死亡
女子22番吉田茉祐子 死亡
【残り
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