2:黒猫
2014/04/16(水) 17:31:58.92 ID:FR+3sHQH0
春希「どっちが、だよ・・・。」
春希は、自分から手を離してはくれない。
あたしが望めは、春希はきっとあたしの望み通り動いてくれる。
でも、あたしが動かなければ、春希は動けないままか。
それじゃあ、あたしが手を離すしか、ないじゃないかよ。
あっ・・・・。
最後にからまっていた一本の指がはなれていく。
それだけなのに、泣きだしそうになり、
手を離したその勢いで背を向ける。
春希の顔をもっと見ておけばよかったな。
決心が鈍りそうで、帰りの電車ではほとんど見てられなかったけど、
もう一生見られないんだから、目に焼きつくまで見ておけばよかった。
心が折れそうだ、春希。
春希が残した最後の手の温もりを胸にそっと抱きしめようとしたが、
かずさの心が反映したかのように、空が泣きだし、
彼の最後の温もりさえも奪い去ろうとする。
冷たい風がすべての温もりを消し去る前に、
なくさないようにポケットしまいこむと
ほんの少しだけれども、ほっとしてしまった。
それと同時に、背後にいたはずの彼の気配がないことも気がつく。
かずさ「・・・春希?」
もういないか。
かずさ「春希!」
振りかえると、春希は数メートル先をゆっくりと歩いていた。
かずさ「バイバイ。・・・・春希。」
聞こえないか。
コンサート絶対聴きに来てくれよ。
心だけはいつも春希の側にいるからさ。
そして、春希がいなくても、しっかり生きていけるって、証明してみせるよ。
316Res/263.70 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。