過去ログ - 穂乃果「酒は飲んでも呑まれるな」
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17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage saga]
2014/04/16(水) 22:26:39.71 ID:ijUnC7Rk0
パァン!
「にゃあ!?」
響く音とともに、凛の尻が痛みを脳に伝達する。
振り返ると、無表情の花陽が平手を振り上げているではないか。
凛は突然のことに理解が追い付かず、二撃、三撃と花陽の平手を尻に受ける。
「かよちん!? 痛いよぉ、どうしてこんなことするの!?」
「黙って」
「ひッ……!?」
心臓を氷柱で貫かれたような冷たさが全身を駆け抜ける。
これまで聞いたこともないような花陽の声に凛は怯えた。
「どうしてこんなことするの、って? 凛ちゃんがそれを言うの?」
「あっ……」
「私だって……あんなの、あんなことしてほしくなかったのに!!」
「あぁっ……!」
自惚れていた。花陽は自分と同じ気持ちだと勝手に思い込んでいた。
怒らせてしまった。彼女の気持ちなど考えず勝手に踏み込んでしまった。
凛は泣いた。生まれて初めての失恋に。舞い上がった自分の愚かさに。
なによりも、大好きな花陽の気持ちを踏みにじってしまったことに。
「ごめんなさい……ッ」
花陽の振り下ろす平手はなおも音高く凛を叩く。
その回数が二十にさしかかった頃、青かった桃はすっかり熟し、痛みで麻痺しつつあった。
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