過去ログ - 穂乃果「酒は飲んでも呑まれるな」
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27:ぴゅわぴゅわ言われるまで忘れてた死にたい[sage saga]
2014/04/17(木) 00:07:54.21 ID:uAFQHBLh0
不安そうに、困ったように。潤んだ上目づかいで見つめられてしまっては、従うしかない。
きっとこれから先もことりには勝てないのだろう、そう思いながら海未はペットボトルに口をつけた。
爽やかなレモンの酸味と、蜂蜜のほのかな甘さが舌を滑り落ちていく。
甘党なことりの味付けにしては珍しく、海未でも飲みやすい。
海未のために作ってきた、という言葉通りの優しい味だった。
(ことり……本当に、貴女という人は)
しかし、液体が最後に喉を通るとき、少しだけ何かが引っかかったような不思議な感触を覚えた。
「どう…? 美味しいかな…」
「ええ、とても美味しいです……しかし、味付けはレモンと蜂蜜だけですか?」
「……うん、そうだよ?」
「……では、ローヤルゼリー入り、とか」
「す…すごい! どうしてわかったの?」
「少し変わった喉越しでした」
「へぇー…そんなことで…」
「ふふふ……では、ごちそうになりますね。残りは部活中に頂くとしましょう」
「お粗末様です。きっとみんな、海未ちゃんのこと待ってると思うよ」
「わかりました。それでは、ごきげんよう」
「また明日ねー♪」
海未の背中を見送りながら、ことりは胸を撫でおろした。
勘の良い海未のことだ、一瞬でも気を抜いたらばれていただろう。
「ごめんね海未ちゃん……でも、海未ちゃんだっていけないんだよ?」
(まぁ、あのハチミツレモンはもともと海未ちゃんのために作ったものだったし)
不純物がちょっとだけ、「事故」で混入してしまっただけ。
海未の姿が完全に見えなくなるのを待って、ことりはイヤホンを耳に入れ、盗聴器の電源を入れた。
そして順番を逆にするべきだったと、本気で後悔した。
『あに゙ゃ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙!!』
凛の断末魔が鼓膜を貫き、ことりの脳を揺らしたからだ。
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