過去ログ - 春香「夢の飼い主」 -SS速報VIP

過去ログ - 春香「夢の飼い主」

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32:1[saga]
2014/04/16(水) 22:55:49.47 ID:qFn1UWYj0

『周りに頼らないように、信じないようにして、自分だけで頑張ろうとしなくて良いんだよ』

「………………………………」

33:1[saga]
2014/04/16(水) 22:56:16.57 ID:qFn1UWYj0
もう一度俯くと、地面が揺らいだ。
いや、地面じゃない、私の足元すらも朧気になっていた。

『ありゃ、もう少しだけお話したかったのにな』

34:1[saga]
2014/04/16(水) 22:56:42.85 ID:qFn1UWYj0
・　・　・　・　・

「…………………………」

35:1[saga]
2014/04/16(水) 22:57:11.00 ID:qFn1UWYj0

ただの気まぐれだった。

いつも使う道じゃなくて、公園を経由する道を歩いていった。
遊具で遊んでいる子ども達を眺めながら春の風を感じる。

36:1[saga]
2014/04/16(水) 22:57:36.73 ID:qFn1UWYj0

「ーーーッッ！！　ーーーー！！！」

37:1[saga]
2014/04/16(水) 22:58:09.94 ID:qFn1UWYj0

ただの気まぐれだった。

偶然その子の近くに居たからかもしれない。

38:1[saga]
2014/04/16(水) 22:58:48.95 ID:qFn1UWYj0

・　・　・　・　・

「……………………また、か」

39:1[saga]
2014/04/16(水) 22:59:24.44 ID:qFn1UWYj0
「…………私は、守れたのかな」

『うん、絶対守れたよ』

「きっと」、ではなく「絶対」、と言った。

40:1[saga]
2014/04/16(水) 22:59:51.39 ID:qFn1UWYj0
「……あんたはそれで良いの？」

彼女は背中を向けて、数歩進んだかと思うと、
おもむろに振り向いてこう言った。

41:1[saga]
2014/04/16(水) 23:00:43.91 ID:qFn1UWYj0
足元は揺るがない。　彼女も朧な存在にならない。
けれど私は、目覚めることを選んだ。
彼女に目を向けたまま、足を退かせる。

私の行動に、彼女は何を言うでもなくこっくりと頷いた。

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