10: ◆yufVJNsZ3s
2014/04/17(木) 22:17:15.56 ID:iWvh8kZB0
少女「九人を殺せばいいんですよね?」
九人。多いのか少ないのか、いまいち実感しにくい人数です。私のクラスが三十四人で、その四分の一……そう考えると案外多いような気がしましたが、何も全員私が殺さなければいけないわけでもないのでした。
最後の一人になればいいということは、畢竟、引きこもっていたほうが有利。でもきっとその考えには全員が思い至ります。すると誰も死なない……なんというジレンマでしょうか。
ムム「そこについては安心していいよ」
きっと私の心を読んだのでしょう、ぬいぐるみは机の上にすとんと着地して言いました。プライバシーもへったくれもありゃしませんね。
ムム「自然と引き合うようになってるんだ。意図しなくても、企図しなくても、出会ってしまう。戦ってしまう。そういう引力が、働くようになってる」
ムム「だから安心していいよ」
その安心はつまり「安心して殺しあえばいいよ」ということです。言葉の包含している意味が曖昧模糊とした中に沈んでいるこの不思議現象を誰かどうにかしてください。
少女「……」
ムム「どうしたんだい?」
少女「嘘、ついてませんよね」
ムム「ボクが? はは、どうしてボクが嘘をつかなきゃならないんだよ」
少女「……そうですね」
ムム「安心していいよ。きちんと約束は果たす。優勝者には、能力の授与と、願いをかなえる権利がちゃんと与えられる」
少女「有言実行してくださいね」
ムム「大丈夫だって。しつこいな」
ムム「それにしても、きみのその『生き様』。一体源泉はなんなんだい?」
ムム「随分とどす黒いものを感じるけど」
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