108: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/19(土) 10:00:41.00 ID:s4vLrOmz0
金髪「本当に、勝ち残った暁には、願い事はなんでもかなえてくれるんだろうな」
こんな埒外な異能を授けられてなお、いまだに俺様は懐疑的だ。与えられたものは与えられたものとして楽しむけれど、気になるものは気になる。
ムム「当然だよ。ボクたちは嘘をつかない」
ボクたち、ね。宇宙人全体のことを指しているんだろうか。
地球人もそんな真っ当な奴らばかりだといいんだが。
金髪「とにかく、頼むぜ」
ムム「あぁ。きみが勝てば、ね」
短い会話を過ぎて、ぬいぐるみは消え去った。全くうさんくさい存在だった。口車に乗った俺様も俺様だが。
遠くでパトカーのサイレンが鳴っている。原因は俺様ではないだろうが、逃げるに限る。警察にはお世話になりすぎた。根掘り葉掘り聞かれるのは厄介だ。
今日補給した分で、特に何もなければ三日は持つだろう。とはいえ、何かあったときのことを考えれば、もう一人くらい食べておきたいものだが……。
金髪「けど、どうやったら敵と出会える? 詰襟野郎みたいに喧嘩を売るにはどうすりゃいいんだか」
決してこの都市は小さくない。狙った九人と偶発的に出会える確率は高いとは言えないはずだ。
思考に落ち込みかけた頭脳を引っ張り上げる。あぶないあぶない。
少し考えて踵を返すことにした。先ほどの嫌な予感もある。ここはその原初的な感覚に従っておくべきだろう。
235Res/273.82 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。