12: ◆yufVJNsZ3s
2014/04/17(木) 22:18:51.64 ID:iWvh8kZB0
赤いブルマと白いスニーカーが、蛍光灯の光に映えていました。
時代錯誤すぎるそれを身に着けているのは一人の女の子。ポニーテール。体操服。羽織っているのは臙脂色のジャージ。胸元には大きく名前の刺繍。
何を考えてるんでしょうか、今、時刻は日付変わりかけてるんですけど?
??「あっはー!」
??「やべってこれ! やべってこれ! やりすぎっしょあたし!」
ようやく宙を舞っていた漆喰やコンクリ片やガラスや壁紙や夜の冷たい空気が部屋の中へと落下する。奇跡的に私は無傷で、だけど息ができない。全然大丈夫じゃない。
??「こんばんは! あたしの名前は『猪突猛進』!」
やたらハイテンションな体操服は、頭がおかしいんじゃないかと思うほどの大声でわめき散らします。
その間に私は包丁やナイフと言った、とりあえずさくっと殺せそうなものを探しましたが、残念、見つかりませんでした。帰りにコンビニで買っておけばよかった。
体操服「とりあえず死んでよ!」
少女「いやです」
体操服が一歩を踏みだ――すっ!?
体操服「全然遅いよ!」
眼前に日焼けした膝が迫っていました。速い、というか、速すぎる! 人間の速度じゃない!
回避は間に合うはずもありません。顔面と膝がキスをして、鼻がくしゃりと音を立てて変な方向へと曲がります。そのまま床を転がって、本棚に激突。後頭部を強打。
鼻血で呼吸ができない。犬のように「はっ、はっ」という浅く速い呼吸。
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