146: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/20(日) 12:34:54.04 ID:D8toTj0A0
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地を揺るがす轟音とともに、ヘリコプターが学び舎へと突っ込んだのを、あたしと会計はぽかんとしながら見送った。
言葉が出てこない。漏れるのは「は?」という間抜けな音だけ。
会計「あったまおかしいんじゃないかしら!?」
怒声一喝、姿を消した。
あたしも連れて行ってよ……とは思わない。何せ彼女の行先は戦場のど真ん中。戦闘能力の欠片もないあたしが行ったところで意味がない。無駄な危険は愚の骨頂。こうやって、離れたところから観察するのがあたしの流儀。
対面する新校舎、その三階に四人。内訳は「時は金なり」「棚から牡丹餅」「悪即斬」と誰か。「棚から牡丹餅」と誰かの戦いに「悪即斬」が割って入った形になったけど、しかし、よく間に合ったものだと素直に感心する。
それにしても三階に突入って。全く人間離れしている。
そんな彼を呼びつけたのはあたしなのだけど、怖いくらいにうまくいった。三つ巴ならぬ四つ巴。流石にここまでお膳立てをしたのだから、最低一人、くたばってもらわないと困る。
生徒の避難は完了しているから、ヘリがいくら突っ込んでも生徒は無事……なはず。今は校庭でぽかんとしているだろう。
申し訳ないとは思う。ただ、それもあたしが生き残れば、もっとよりよい世界になるのだから、我慢して欲しい。
……ん? こっちに誰か来る?
「おーい! 道山!」
廊下を走ってくるのは優男……腹立たしい顔の生徒会長だった。状況に困惑しているのだろう、焦りが見える。
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