181: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/22(火) 14:10:10.03 ID:BKn3hKU/0
彩人は一瞬あっけにとられた顔をして、舌をぺろりと出した。
彩人「へぇ。あなた、そんな顔もできるんだ」
どんな顔をしてるんだかわからないけれど、言われっぱなしも癪なので、こう返す。
会計「生まれつきよ」
ちょっと違ったかしら?
意思の疎通はなかった。あるわけがない。それでも私たちは殆ど同時に地を蹴る。
銃声が鼓膜を揺さぶる。刹那だけ時間を止め、体を銃弾が掠めて行く感覚に恐れ戦きながらも、視線は彩人からずらさない。本懐もぶれさせない。
頬を伝う汗がむず痒い。
金属バットのグリップを握り締め、力強く叩きつけた。彩人はそれをひらりと回避し、銃口を再度向けてくる。
「とき、とぉおおう……」
亡者の声が聞こえた。
いや、そんなわけはないのだ。それは単なる呻き声。
背後でクラスメイトの女子が倒れているのが見えて、彼女は恐らく流れ弾に被弾したのだろう、腹部を真っ赤に染めている。そして助けを求めている。
弾丸が放たれた。
と、気づいた瞬間にはすでにそれは私のあばらを喰いちぎる。
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