191: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/23(水) 12:03:01.28 ID:VukTWdSA0
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木刀を構えなおす間に「弱肉強食」は復活を果たしている。上半身と下半身が分離した状況からの復活だなんて、まるで人間離れしている所業だ。
何度も見たから驚かないけれど、この非人を相手にするのだと思えば、心の肩が凝ってしょうがない。
全く、何度殺せば死ぬのやら。
どうせ死ぬまで殺すだけだが、一撃必殺がならないのは厄介だ。
こんな思考の流れの中でも神経は研ぎ澄まされていく。比例して、目つきも同様に。
俺は木刀を両手で握り、正眼に構える。どんな扱いをしても、こいつは必ずおれの手の中にあった。俺とともにあった。
辛い時も楽しいときも――と言おうとしたが、木刀を持っているときは大抵正義を執行するときだ。喜ばしいことではあるが楽しいことではなく、辛いことではあるが看過できることではあった。
金髪は指をごきんごきん鳴らし、まるで肉食獣のように犬歯をむき出しにして笑った。いや、もしかしたら笑っていないのかもしれなかったが、俺には少なくともそう見えた。
あくまで自然体である。背負った殺意が膨らんでいくのを気にしないのであれば。
金髪「なぁ、『悪即斬』」
詰襟「どうした、『弱肉強食』」
お互いに構えたまま口を開く。
金髪「お前はどんな世界を望む」
詰襟「悪が根絶された世界。正義が満喫する世界」
金髪「止むに止まれぬ犯罪者でも、悪は殺すか」
詰襟「殺す」
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