40: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/17(木) 23:15:32.46 ID:iWvh8kZB0
歯を必死に喰いしばっても隙間から空気が、声が、漏れていく。涙も目じりに溜まる。痛い痛い痛い痛い痛いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい
黒マント「ぐ、ぅううう、が、あぎ、っ!」
バランスを崩してレンガから足を踏み外した。
やばい。
黒マント「『黒光纏いて優雅に踊れ』ゥウウウウ!」
死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!
幸い下にはポリバケツやらごみ袋やらがある! 金髪と詰襟に見つかっちゃうのはしょうがないけど、それで、なんとか!
衝撃が体を襲った。臭気が鼻を衝いて思わず顔を顰める。腐った汁がマントやらブレザーやらに染み込んで、泣きたくなる。
指の先は吹き飛ばされたはずなのにじんじん痛んで私を苛んだ。でも今の私にはいい気付けだ。ぽかんとしている金髪と詰襟を尻目に、私はマントの裾を引き裂いて、腕をきつく縛っておく。
存外思考は回った。誰だ。誰が私を。どこから狙った。攻撃手段は。
とにかく動かなければ。こちらはまだ相手の場所も掴んでいない。一旦退いて、相手の出方を窺わなければ二の舞になる。まずは敵を炙りださずして始まらない。
黒マント「くっ、我が、こんなっ」
ポリバケツの蓋に飛び乗って、そのまま猛烈な勢いでその場から去る。人気の多い通りに出るが気にするものか。寧ろいい壁にすらなってくれるだろう。
あたりを見回す。どこだ。どこにいる。どこから私を狙ってる!?
私の能力には射程範囲がある。これより外から狙われては絶対に太刀打ちできない。敵がこの能力の詳細を知らないのがせめてもの救いだろう。おびき寄せて、必ず殺す。
最後に勝つのはこの私だ。
全世界が私にひれ伏すのだ。
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