52: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/17(木) 23:46:44.14 ID:vq3mQqnr0
ムム「そう言わないでくれよ。この瞬間移動だって、『邪気眼』をなんとかしてくれたお礼みたいなものなんだからさ」
腕章「そんなに困ってたの?」
ムム「困ってたっていうか……現地人の記憶なんていくらでも操作できるんだけど、手間ではあるからね」
ムム「まぁ、これくらいやってくれたほうが、観客ウケはいいんだけどさ。難しいところだよ」
ぬいぐるみに似た宇宙人も、すっごいサラリーマンをしているみたい。なんだか面白い。
おっと。もう学校を抜け出してから一時間以上が立っちゃったことに、あたしは遅ればせながら気が付いた。これはまずい。国語はサボってもいいけど、数学は授業を聞かないとおいてけぼりだ。
ムムを見た。だけど、二度はないよと言わんばかりにそっぽを向かれ、姿を消された。まったく融通の利かない宇宙人ですこと。
そうして学校まで走って、辿り着いた時には昼食時間に差し掛かっていた。仕方がない。数学のノートを誰かに見せてもらおう。
肩をぐるりと回した。ふぅ、これで少しはリラックスできる。
能力者の気配も1つだけになったことだし。
あたしは能力者の存在を感知することができる。とはいっても、そんなに細かくはわからない。あたしを中心とした半径数キロ以内にいるかいないか。いるならどれくらい近くにいるか、その程度。
だから今日も「邪気眼」を追跡することができたし、「弱肉強食」と「悪即斬」の戦いを観察することもできた。
結果的にはあたしが「邪気眼」を殺してめでたしめでたし。「弱肉強食」と「悪即斬」にも意識を向けていたけど、どうやら弱肉強食が逃げる形で終わったらしい。あの二人も本当にトムとジェリーなんだから。
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