63: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/18(金) 00:40:48.44 ID:9NO0r5n60
とあるビルとビルの隙間に存在するという『二つの太陽』。
深夜に這い出るという『マンホールの住人』。
全身を原色に彩った『鮮烈な彩人』。
コンビニやファストフード店にやってくる『ゴリラのライダー』。
そして、入ったけれども屋敷に辿り着けない、『進めない門』。
腕章「……」
あたしは手帳をめくった。そこには様々な情報が載っていて、『進めない門』についてのそれも、当然ある。
町はずれに広い敷地を持った大きな屋敷がある。誰が住んでいるのかは誰も知らない、古ぼけた屋敷だ。そこに遊び半分で忍び込んだ学生たちがいた。けれど、いくら進んでも進んでも、彼らの位置は門から離れることはなく……。
腕章「二週間前、か」
この都市伝説がまことしやかに囁かれ始めたのが二週間前。そのタイミングに、あたしは心当たりがあった。
十人の能力者。実際に見たぶんであれば、様々なデータをあたしは読み取れる。そのデータの中には彼らがいつ契約を結んだのかも含まれている。
あたしが能力者になったのがちょうど十日前。猪突猛進が一週間前、弱肉強食も一週間前、悪即斬が二週間前、邪気眼が四日前、有言実行が昨日。残りの面子も恐らく大きな差はないだろう。
この符合。
杞憂ならいい。が、果たして……。
後輩「先輩?」
顔を覗き込んでくる。もしかしたらあたしは酷い顔をしていたかもしれない。
腕章「いや、なんでもないわ」
あたしは左腕の腕章を引っ張って、後輩に強く見せつける。
腕章「新聞部、出動しましょうか」
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