64: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/18(金) 00:41:37.04 ID:9NO0r5n60
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そのまま直帰するため、鞄の類は全部持って、あたしたちは件の『進めない門』へと向かっていた。町はずれの屋敷。あたしも場所だけは知っている。確か、大きくて古い日本家屋があったはずだ。
オカルト好きの間ではそこそこ有名なのに、どうしてさほど話題になっていないのか。それもまた怪しい。まるで何らかの力が働いているかのようじゃないか。
例えば、宇宙人とか。
腕章「それにしても、あんたはどうしてここに」
後輩「いや、前から気になってはいたんですよ。けど、どうにも気がむかなくって」
後輩「こないだです。道に迷ったら偶然この辺に出て。だから」
怪我の功名と言うやつか。
腕章「で、どうだった」
後輩「やっぱり戻されました」
信じられない、と言う風に後輩は言った。
後輩「門は和風の門でした。木造りの。鍵はかかってなかったんで、あれだと思いましたけど、こっそり開けて入っていったんです」
後輩「敷地は草がぼうぼうで、石畳が家の入口まで点々とあって……で、一歩踏み込んだら、外でした」
腕章「外?」
後輩「はい。一歩踏み込んで、気づいたら、門の外に向かって一歩踏み出していたんです」
腕章「……」
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