69: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/18(金) 00:58:00.84 ID:9NO0r5n60
彩人「二位の私に勝てるかな!?」
きんきん声で彩人は叫んだ。こちらの目を覗き込むように、その澄んだ瞳が見開かれている。
同時に流れ込んでくる、こいつの全て。
腕章「絶対に許さない! 『棚から牡丹餅』!」
彩人「なんで私の名前がわかるのかな? そういう能力? なのかな!?」
彩人――本名、福留大福。十五歳の高校一年生。能力は『棚から牡丹餅』。
住所、携帯電話の番号、その他もろもろのパーソナルデータ、全てが脳内に流れ込んでくる。が、いったんすべてをカット。いちいち処理してらんない。まずは逃げるかこいつを殺すか!
いくらあたしの能力を以てしても、わかるのは能力名までだ。能力そのものは範疇にない。だから、まず見抜く。想像する。考える。敵が持っている、敵の力を。
腕章「とりあえず死ね」
あたしは荷物の中から――一見すれば竹刀に見える袋の中から、手慣れた動作で猟銃を素早く取り出した。
彩人の顔が引きつる。
彩人「え。どうしてそんなの、持ってるのかな?」
腕章「パクったのよ」
口数少なめに教えてやる。
あたしは射撃体勢もそこそこに、照準すらたいして合わせず、あっさりと引き金を引いた。
振動と衝撃が手首から肩、肩から全身へ拡散する。大きく跳ね上がるあたしの右腕。炸裂音が鼓膜を震わせ、使い物にならなくなった。
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