86: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/18(金) 11:59:51.94 ID:hodrlcSw0
ぞわり、と鳥肌が全身を駆け巡った。あのやる気のない、生気の無い喋り方からは想像だにできない、惨状だった。
??「あぁ、見られちゃいまし、た」
今一番聞きたくない――もしくは聞きたい声が降ってきた。相変わらずどこから声が出ているのかはわからない。
思ったよりあたしの反応は素早かった。クリアな視界を手に入れてから、過剰な動揺を悟られないように天井を睨みつける。
腕章「あんたがやったの?」
??「やっ、た。……そうです、ね。わたしが、やった、んですかね」
要領を得ない喋り方だった。
??「だって、仕方がないじゃない、です、か。わたし、悪くないです、よ」
錯乱しているのか? わからない。けれど話を聞いておいて損はないだろう。人を殺しておいて悪くないなどと、どの口が言うのか興味もある。
??「だって、学校に行け、って、言うか、ら」
腕章「……」
??「……」
腕章「え?」
それだけ?
??「あ、あぁ、そうです、か。やっぱり、わかってはくれないんです、ね」
??「お父さんも、お母さんも、お姉ちゃんも、みんなそうでし、た」
??「なんか、わたしには根性が、足らないらしいです、よ」
腕章「だから?」
??「はい、殺しちゃいまし、た」
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