90: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/18(金) 12:03:37.75 ID:hodrlcSw0
詰襟「おい、『天網恢恢』」
腕章「なによ」
詰襟「このままじゃ埒があかん。お前の能力をさっさとつかえ。ナビゲート、できるんだろう」
腕章「……」
あたしの能力をこいつに漏らしたことなど当然ない。だからこのやりとりは、カマかけか、そうでなければ想定におけるものだ。こいつも一見して脳筋のようで、意外と馬鹿ではないらしかった。
あたしは今まで何度もこいつや弱肉強食の追撃を振り切っている。怪しまれてもしょうがないか。
あえて無言で光を展開。どうせ詰襟には見えていないだろうけれど、それでも念のため警戒しながら、光がゆっくりと進む方向へと歩を踏み出した。
詰襟「お前が先を歩け」
なるほど、警戒も怠らない。あたしが絵図を引いているのではないかと疑っているのだ、この男は。後ろから刺さないという信頼関係など皆無なのだから、当然と言えば当然である。立場が逆ならあたしもそうする。
否やはいなかった。業腹ながら立場が低いのはあたしだ。いつでも撒いて、そして全てを煙に巻ける準備はしておきながらも、壁を詰襟にぶち壊してもらって部屋を出る。
詰襟「お前のナビゲートはどこまで有効なんだ?」
腕章「……」
詰襟「ま、答えるわけないか」
もちろん。こちらの手札を軽々しく明かしたりはしないのよ、あたしは。
詰襟「だが、ここの家主、敵、悪……『門外不出』といったか。構造変化とサイコキネシス。お前じゃ対処しきれないな。だから俺に助けを求めた」
腕章「……」
あえての無言。それが例え肯定を裏付ける言動だとしても。
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