過去ログ - 阿良々木暦「みきスロウス」
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41:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/04/18(金) 18:02:04.33 ID:xeDtmg+30

「止めはしない」

「え?」

「止めはしないが、星井のプロデューサーにはもうなれない。
 何でも願いが叶うのなら、プロデュースする必要もないしな。
 お前が都合のいい世界を選ぶのなら、それはそれでいいさ。
 アイドルの意向を取り入れるのもプロデューサーの仕事だ」

「あはっ」

……笑われた。僕は結構シリアスに迫ったつもりだったんだけれど……。

「何言ってるのプロデューサーさん、要はミキが夢を自分で叶えるか、人に叶えてもらうかって話でしょ?」

「まぁ……」

極論を言ってしまえばそうなるのか。

「ミキの夢はミキのものだよ。誰にも渡さないんだから」

そう星井が言った瞬間、怪異の夢が崩れ始めたのか、地面が胎動を始めた。
わかち懶を退ける方法、それは夢の中で彼の消滅を望むこと。
夢を共有するわかち懶は、自身を否定するという矛盾の下に消えていく。
今のは完全に偶然だが、星井のようにお前なんか要らない、と言ってしまえばいい。

「ああ、わかってるよ。そう言うと思っていた」

崩れる世界の中、星井の手を取る。
けどな、星井。

「でもお前は間違っている、星井」



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