過去ログ - 阿良々木暦「みきスロウス」
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5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/04/18(金) 12:18:35.06 ID:xeDtmg+30

「そうなんですよね。人間は余計なことを考え過ぎる生き物ですから。
 『自分の生きている理由』なんてくだらないものを無意識化で無理やり決めなければならない。
 それを夢と呼ぶかどうかは人それぞれですけれど、意味合いとしてはほぼ同じでしょう。
 動物みたいに何も考えずに生きる事だけ考えていられたら、幸せなんですけどねえ」

はっはー、と自棄にも皮肉にも聞こえる笑いを湛える扇ちゃん。
しかし、それはどうなんだろう。
人間が知恵の実を口にして知識と自意識を持ったことは不幸だとは思いたくない。
人間ほど多くの感情を持つ生物も他にはいないだろう。
感情の多さ故に苦しむ事も多いが、逆に言えば幸せだって他の生物よりも多い筈なのだ。
悩みもせず、苦しみも喜びも一切なく無感情に生を全うするのが生物の最終進化形態だとするのなら、そんなものはロボットに任せておけば いい。

「人間は苦しみ、喜び、不完全でも一生懸命生きるから美しい、ですか。
 流石は阿良々木先輩です。綺麗事を言わせたら世界一ですね」

相変わらずの扇ちゃんの返しに、口許が緩んでしまう。
いつまで経っても彼女だけは変わらない、という安心感を彼女に見出しているからか、それとも――。
さてオチもついたところで、と扇ちゃんは言った。

「そろそろお目覚めですよ阿良々木先輩。
 彼女の夢にお気を付けて」

そんな扇ちゃんの思わせぶりな言葉と共に、僕の意識は覚醒に至った。



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