過去ログ - 【Vシネ版】 京太郎「……変、身ッ」 【仮面ライダー】
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◆rVyvhOy5r192
[saga]
2015/01/12(月) 00:06:22.22 ID:J39nihg8O
大縄跳び。
元来運動を不得意としていた宮永咲は、どうしても上手く縄を跳ぶことができなかった。
何かにして足を引っかけたり、飛ぶタイミングが合わなかったり、途中で疲れてしまったり……兎に角、明らかにクラスのお荷物となっていた。
皆は励ましてくれるが、幾ばくもすればその根底に呆れが浮かぶようになり、ともすれば嘲笑や批難も伴われた。
それも無理もない、と思う。思おうが辛かった。
女子生徒が「皆で残って練習をしよう」と言い出したときは――有難さよりも、申し訳なさや迷惑さが目立った。
善意からであろうが、それは咲にとっては余計に残酷な事。
明らかに向けられる目線に不満が増えた。
“どうしてこんな簡単な事も出来ない奴の為に、自分たちがペナルティを負わなければならないのだ”――という目。
本当に本当に、消えてしまいたかった。当日欠席するから、自分抜きでやって欲しいと言いたかった。
……正直にそんな気持ちだったが、きっと言ったらより強い怒りを向けられるだろう。
それが正しいのだけれども、宮永咲にとってそれは世界が滅ぶに等しいに近い。
逃げ場のない檻に囚われていると感じた。暗い澱が纏わりついて、真綿で首を絞められるような閉塞した絶望感を抱くほどに。
何とも言えない息も詰まる空気から逃れる事も立ち向かう事もできずに居た、そんなとき。
「じゃ、だったら俺が特訓に付き合えばいいよな? ほら、ハンドボール部だろ」
ハンドボール部と大縄跳びにどんな関係があるのかも判らない主張。どうやら、だから跳躍には自信があるという意味だったらしい。
そうして彼は一人宮永咲の御守りをすると宣言する事でクラスの不満を抑え、宮永咲のコーチとなった。
正直なところ、迷惑だし……やはり申し訳なく情けない。助けてくれた以上に、厄介な事になったなとも感じた。
良く知らない男子と、放課後二人っきりで練習だなんて――変な勘繰りをされてもおかしくないし、事実彼をそんな風に茶化すクラスメイトが居た事で、咲は偉く辱められた気分だった。
でも――。
それだけで――一体どれだけ救われただろうか。きっと彼は知らない。
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