過去ログ - モバP「見えた今に絶えぬ未来を」
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/04/22(火) 22:39:46.31 ID:dbLyof+Po

 我が目を……信じたくはなかった。
 目の前にある現実が現実でないかのように振る舞うのは、果たして許される行為なのか。
 記された歴史から目を背け脳内を逡巡しようとも、己の望む答えなど出るはずもなかった。
 何故ならば、それは事実だから。現実だから。
 俺が何を言おうとも、それだけは変わることのない結果なのだから。


 ――足が重い。
 事務所に向かう足取りがこれほど重いのはかつてない程で、歩けば歩く程、進めば進む程悪路に足を踏み込んでいるような気持ちになる。

 恐怖か、罪悪感か。
 どちらのものでもあろうこの感情が明瞭になるのは恐らく無い。
 それは俺がその現実を受け止めなければならないというはっきりとした義務があるからであり、それを受け入れざるをえない程度の力量であることへの無力感があるからでもある。


 もしも、俺の力が十二分に足りていれば。
 彼女という存在に、最高の花束を添える事ができていれば。

 そう思うだけで、何も出来なかった自分がますます嫌になる。




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