過去ログ - 金剛「英国生まれのモイーズ提督デース」
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4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/23(水) 00:47:56.59 ID:317xpuuUo
「おじさん、こんなとこで何してんの?」

背中から唐突にかかった少女の声に、呆然と立ちすくむ男――
ややくたびれた長身痩躯の壮年の男だ――は、肩を竦め拒絶のジェスチャーを示した。
彼は今酷く憂鬱で、誰とも話をしたくない気分だったからだ。

「ねえ、おじさん。こんな寒い日に、うちみたいな田舎の村の片隅で何してたのよ」

聡明にも、男の意図を明確に読み取ったのだろう。
だがそれで怯むこともなく、不機嫌そうな声で少女は無遠慮に質問を繰り返す。
面倒になった男は、ため息を一つ吐いて少女の疑問に答えることにした。
と言っても、大した意味のある答えではなかったのだが。

「ふうん……変わってるのね」

今にも消え入りそうな声で海を見ていた、と答えた男に対し、少女の返答は酷く素っ気ないものだった。
きっと期待していたよりも遥かに退屈な答えだったのだろう。だが、自分が退屈な人間だというのは、男は痛いほど知っていた。
彼は彼で、返事の代わりにそうかもねとでも言わんばかりにもう一度肩を竦め、海を眺め続ける。
後ろから退屈そうな欠伸が一つ、少女の喉から漏れたのが男の耳にも届いた。


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