23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/23(水) 18:51:07.49 ID:KjY5e/6Q0
「そうだな、また今度、事務所の面子を全員誘って食事に行こうか」
「ええ、あなた様のおごりで」
「そこまでして僕を破産させたい理由はなんだ!」
冗談ですよ、と上品に笑いながら返す四条。
と、注文していた品が届く。
シンプルだが食欲をそそる苺とふわふわのスポンジが特徴の苺のショートケーキ。
ケーキ、と言われてこれを最初に思い浮かべる人間も少なくないのではないだろうか。
シンプルが故に飽きが来ない素晴らしいの一言に尽きる逸品である。
「では、いただきます」
律儀にも手を合わせてフォークを持つ四条だったが、その手がケーキに触れるところで止まった。
「……おや?」
「……?」
見ると、四条の右手がふるふると震えていた。
どうやら手が上手く動かないようだ。
四条自身も心当たりがないのか、顔に疑問符を浮かべている。
一度フォークを置き手を調べてみるも特に異常はないようだ。
「何事でしょう……面妖な」
だが、もう一度フォークを持ち食べようとすると手が止まる。
「……身体が拒否反応起こしてるんじゃないか、それ。糖分の摂り過ぎ、とか」
「まさか、あり得ません」
四条の場合、その食べる量からあり得ないとは言えない気がする。
とは言え僕の意見もいい加減だが。
と、次第に四条の身体に異変が現れ始めた。
「四条!」
「う……くっ……」
フォークを取り落とし、四条は苦しそうに口元を押さえる。
僕は場所にも関わらず、思わず声を上げて彼女の名前を呼ぶ。
周囲の人たちが何事かと僕らに視線を集めるが、僕は構わずに四条の腕を取った。
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