31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/04/25(金) 22:58:55.77 ID:XsXwgu560
「なぁ、飛鳥」
ピクリ、と肩を震わせてしまう。いつもなら安心感さえ覚えるその声は、今はなんだかとっても恐ろしかった、それはとっても寂しい事なと、より一層涙が溢れた。自覚するとどんどん沈み込んでいく心、それを引き戻したのは、続く言葉。
「飛鳥さ、なにか勘違いしてるよ、俺は別にそんなに気にしちゃいない――」
「嘘は……つくもんじゃないよ、プロデューサー」
絞り出すように、弱々しい声が事務所に溶ける。
「ボク知ってるんだ……ごめんね、ボクの力不足だった、ほんとに、ほんとに申し訳ないと思ってるよ、だから嘘なんてつかないんでいいんだ」
ほんとにか細い声だけれど、それでも続けた。
「ボクは知ってるよ、プロデューサーが泣いてたのも、知ってるんだ。結果発表の夜、一人で泣いてた。キミはボクを理解ってくれているから、なによりも、誰よりもボクに優しいから、あの日一人で泣いたんだろう?」
「なっ!? ……見てたのか、はは、なんだ、見られてたのかよ、格好悪いなぁ、もう」
漏れ出てた力のない笑声、きっと今プロデューサーはひどい顔をしているのだろう、それが怖くて結局ボクは顔を上げられない。
いつも斜めに構えている、なんて言われていい気になっていたボクは、結局肝心なところでこの様だ。
プロデューサーを前に、ここ一番で斜めになんて構えられない。どうしようもないくらいに『痛いヤツ』。
「あー、格好悪いなぁ、もう……――でもな、それでもな、違うぞ」
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