24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/04/25(金) 21:40:17.38 ID:6I5S2gV60
「み、な……せぇぇぇぇぇぇぇ!!」
「っ!?」
体感的には音速をも越えているんじゃないだろうかと錯覚する程のスピードで、僕は水瀬の身体に取り付いた。
さすがの水瀬もバランスを崩し、僕に押し倒される形となる。
暴虐の限りを尽くしていた重機は水瀬の手を離れ、倉庫の壁を突き破る。
「水瀬――」
「がぁっ!!」
「ぐ、ぶ……」
水瀬が苦し紛れに拳を僕の腹部に突き入れる。
今の水瀬にとって僕の身体など水風船のようなものだ。
水瀬の腕はいとも簡単に僕の身体を貫通し、僕は大量に吐血する。
こんな状態になってもまだ意識が保てている自分が可笑しい。
「あ…………」
いいんだ、ここまでは予測通りだ。
「……み、な、せ……」
僕の吐いた血を浴びて正気に戻ったのか、水瀬は目を見開いて僕と視線を合わせる。
「あ、あんた……どうして!」
「水瀬……何故、ライオンが、百獣の王と呼ばれるか……知っているか……?」
「何言ってんのよ! そんなことより救急車を――!」
「この程度で死ぬ僕じゃない……僕を誰だと思っているんだ……いいから聞け」
瀕死の状態で水瀬を静かに叱咤する。
水瀬は一瞬口をつぐんだが、やがて観念したのかゆっくりと震えながら口を開いた。
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