6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/04/25(金) 20:52:03.78 ID:6I5S2gV60
「信じられない! もう本当何なのよ!」
「ごめんなさい!」
「バカ! アホ! 間抜け! 役立たず! 変態! ロリコン! 無能!」
思いつく限りの罵倒と共に更に蹴りを激しく加えてくる水瀬。
僕は地べたに這いつくばりながらパンツを見ようと顔を上げられないか試行錯誤していたが、水瀬の連蹴りによりそれは叶いそうになかった。
だがまあいい、水瀬に罵倒されながら蹴られるなんて僕にとってご褒美以外の何物でもないからな!
「ありがとうございます! ありがとうございます!」
「なんで喜んでるのよ!」
息を切らしながら蹴るのをやめる水瀬。
僕はスーツについた埃を払いながら立ち上がる。
水瀬はあの体格――年齢の割にはかなり小柄で軽いので、蹴られたところで大して痛くもないというのが実際のところだ。
「悪かったよ、必ず同じものを倍にして返すからさ――今回はそれで気を収めてくれないか」
「…………」
呼吸を整え、腕を組んで溜息をひとつ。倍返し、という言葉が効いたのかどうかは不明だが、水瀬はそっぽを向き、
「今からオレンジジュース買ってきなさい。それで許してあげるわ」
と、得意のツンデレ属性を発揮してくれた。
これだから水瀬との絡みはやめられない。
「あ――ああ!」
恩赦が下った気持ちになり僕は外へと駈け出す。
水瀬をいじって怒られるのはここ半年で最早ライフワークと化してしまった僕ではあるが、決して嫌われたい訳ではないのだ。
こうしてパシリにされている間も次はどんな風にいじろう、と思っている僕は人間として終わっているかも知れないが。
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