過去ログ - とある科学の合成合唱<カンタータ>
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14:小枝に戯れ  ◆wapTtVzPxk[sage saga]
2014/04/25(金) 21:32:49.89 ID:tU3kNuw60

「ナニしちゃってんのよ麦野ォォォォォ!! どこにか弱いウサギちゃんが埋まってるか分からないっつったでしょうよーもォォォォ!!」

「音もなく接近してんじゃん」

 ロシアの雪原に、アイテムの三人が揃った。空を見上げると黒い戦闘服の襲撃者が投下されてきている。第四位の力は当てにできない。浜面は自分にうてる全ての手を考える。

 楽演都市からの刺客に先制攻撃をしかけた。浜面の撃った銃弾は一発は途中の木にぶつかり、二発目は襲撃者に当たるかと思われたが襲撃者の白い仮面から伸びた、極めて生物的な外見の翼がそれを阻止した。周囲にこの世には存在しないはずの音が漏れ出している。

 Equ. DarkMatter。
 その異能は浜面が撃った無数の蜂のような銃弾を全て弾き落とす。
 襲撃者が一歩踏み出した瞬間、浜面は何枚もの翼に弾かれ雪の上に飛ばされていた。
 未元物質(ダークマター)は第二位垣根帝督の能力だったはずだ。しかし、その発現を直接聴いたことのない浜面にも襲撃者が彼本人ではないことは分かった。これは超能力ではない。

「能力者の歌は炎と似ている」

 雪に横たわる浜面を射程距離に収めながら、仮面の男たちのうちの誰かが言った。

「炎は確かに人間だけが制御できる強い力だ。だが炎をそのまま振りかざすのは原人の松明に過ぎん。文明人は炎を使って鉄を打つ。それと同じ事だよ」

 麦野沈利や垣根帝督のような超能力者の歌は既存の物理法則を超えた物質を生みだす。ならばその歌を使って生みだされた新物質は? 既存の科学を一切無視した全く新しい構造の物質ができあがるのではないだろうか。

「超能力者から声だけを取り出して利用する……?」

 不可思議な現状を生み出す彼らの歌声だけが研究者たちには重要なのだろう。それは無能力者である浜面にも分かる。その歌を研究者たちの手によって調整し出力することで、超能力であった彼らの歌声は正真正銘の『科学』となる。

 しかし浜面の頭に浮かんだのはそんな小難しい素粒子や何やらの新しい可能性ではなかった。






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