過去ログ - 【まどか】承太郎「うッとおしいぞこのアマ!」杏子「あァ!?」【ジョジョ】
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63:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/04/27(日) 17:38:59.61 ID:lAZnT6li0
少女は…植物を愛していた。

しかし それはただの植物ではない。もっぱら彼女が愛情を注いでいたのは『食虫植物』だった…


学校では密やかに陰湿ないじめを受け…家庭では母と義父の暴力にさらされ、服の下には傷跡と青痣が絶えない日常だった。

彼女は…食虫植物のあり方に『あこがれていた』。虫は植物を食べる…実際は蝶などをはじめとして植物と虫とは蜜月の共生関係であるのだが 彼女にとって大事なのはそこではなかったのだ。

食われるだけの弱者である筈の植物が捕食者である虫を逆に食べるという、ある種の『下剋上』…彼女はそこに常人には理解しがたい尊敬を覚え…鉢の上の彼らに惜しみない情熱を向けていた。


そんな彼女の前にあの白い悪魔が現れたのは…親がギャンブルに負けた腹いせに”鉢植え”を割られたある夜のことだった。


少女の両親が惨死したのは数ヵ月後のことである。発見者は隣人であり、死体は全身に食い破られたような穴があったという…

少女はこの難事件の行方不明者として処理され…捜索も成果を上げず、事件は人々の記憶から忘れ去られた…



彼女が何を願い、何に絶望して『魔女』になったかはもう誰にもわからない。



彼女がこの場所に根城をあしつらえたのは、『ときおりふらふらと迷い込む餌』がいること、腹がすけば近くの山道に向かってすこし触手をのばせば『車に乗った餌』がいること…


何より『人がいなくて、植物たちに囲まれ、静かで心休まる鬱屈としたこの土地が好き』だからという理由による。



この魔女は肉を食らう。主食である精神と同時に、餌の肉体も彼女の”満足感”を満たす薬味となる…


根を張った魔女は哀れな『餌虫』を待ち続ける… その姿はまるで… かつて彼女が愛した鉢植えの友人に―――



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