過去ログ - 久「咲は私のことが好きなんでしょう?」
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324:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/06/20(金) 22:02:08.80 ID:WnrwysWW0
久しぶりの温もりだった。

流石に拒まなくては、と久の服を掴むけれど弱々しい抵抗は意味をなさなかった。

最初は感触を確かめるように軽く触れた。

しかし序々に角度を変え、深くなる口付けの変わらない優しさに涙が後から後から流れていく。

それを丁寧に拭う久の指。

下唇を軽く甘噛みされ、咲は促されるままに薄く唇を開いた。

ぬるりと侵入する舌が焼けるように熱い。

咲「……ん、ンっ」

久「咲」

咲「…っ!!」


ふいに名前を呼ばれ、咲は我に返った。

閉じかけていた瞳をいっぱいに見開き久を見れば、熱に浮かされたように咲を見つめていた。

唇が戦慄く。掠れた声がどうして、と呻いた。

じんわりと盛り上がった涙が重力に従って目じりを滑っていく。

久「咲…」

咲「…な、んで…いま、私の名前を…呼ぶんですか…?」


久は正気じゃない。

だって咲を見つめる瞳は焦点が合っていないし、呼吸に余裕もない。

でも、それならばどうして夢うつつで口にするのが咲の名前なのだ。

どうして婚約者ではなく熱い口付けを交わしながら咲の名を呼ぶのだ。


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