過去ログ - モバP「逃げ切って、最果てを」飛鳥「一緒にね」
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[saga]
2014/04/27(日) 20:31:41.59 ID:+x4vWIZD0
『いつかみんなのアイドルに』
プロデューサー。それが俺の職業で、通称で、大抵の人は俺のことをそう呼ぶ。
なんだか最近では、名前よりもそちらで呼ばれることのほうが多い気がする、少し職業に浸りすぎているのかもしれないなー、なんて思う反面『二宮飛鳥のプロデューサー』とか、『飛鳥ちゃんのプロデューサー』とか、そんな風に監督やらディレクターやらに呼ばれるのは、ちょっと嬉しかったりする今日この頃。
さて、そんな俺が所属するプロダクションでは、多くのアイドルが所属し、各アイドルに一人のプロデューサーがつき、二人三脚での活動をする方式を採用されている。
基本的な活動は二人で完結させ、確認や重要案件は社長に通すことを除けば、事実上は二人だけのプロダクションとなっているような錯覚さえ覚えるほどだ。もちろんそれは錯覚で、俺は当然それなりに大きなプロダクションの中の一人であるのだけれど。
「あ、プロデューサーさんお疲れさまです。あ、これ、今日の分のドリンクですよ、よければどうぞ」
「あ、どうも」
――と、忘れていた。本人に聞かれたら怒られてしまうところだ。
彼女は千川ちひろさん。この事務所の事務を一人で切り盛りするとんでもないお人だ。先ほど言った二人だけのプロダクションのような錯覚というのは撤回しよう、正しくは三人の、である。プロデューサーとアイドル間の仲の取り持ちや、面倒を見てくれたりもするすごい人だ。いや、ほんとに。
あと、なぜか元気になる栄養ドリンクをくれたりもする、すごく助かるけれど、出所を聞いたら妖艶な微笑を返された。ちょっと怖い気もする。ちひろさんに限って怪しい物を俺に渡すとは考えられないから、まぁ別にいいのだけれど。
「――んぅ、うまい。なんだろう、絶妙な味してますよね、これ。いやぁ、元気も出るし。薬局とかで買えるんですかこれ、ちょっとまとめ買いとかしときたいな」
「あー、それは市販されてないんですよ。それにあまり飲みすぎても……ねぇ?」
「え、いや、え? 『ねぇ?』とか言われても……」
訂正、やっは怖いかも。
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