過去ログ - ほむら「However, you are not alone」
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1: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2014/04/27(日) 18:27:07.57 ID:lPewk7BX0

二つの想いは相容れない。

どちらかに進めばもう片方は諦めねばならない。
 
けれど、どちらの想いもあまりに強く大きくなりすぎた。

その片方だけを捨ててしまうなんてできなかった。


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2: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2014/04/27(日) 18:27:32.66 ID:lPewk7BX0
概要
・魔法少女まどか☆マギカ二次創作
・舞台は改変前
・ひたすらに暗い話



3: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2014/04/27(日) 18:28:26.31 ID:lPewk7BX0

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
Prologue
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4: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2014/04/27(日) 18:29:26.50 ID:lPewk7BX0

目を開けると、そこには雨雲で埋め尽くされた灰色の空があった。そのせいなのか辺りはかなり薄暗い。おかげで今が昼か夜なのかも分からない。

雨と風が物凄い音を立てて吹き荒れていて、聴覚は頼りにならなさそうだ。なので頭を動かし目を凝らして辺りの様子を観察してみると、そこら中に瓦礫の山があった。私が今寝ている場所も、そんな建物の残骸が積み重なって形成された場所だったようだ。



5: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2014/04/27(日) 18:31:18.78 ID:lPewk7BX0

「……う」


 取り敢えず体を起こそうとすると、頭に鈍い痛みが走る。程度はそれほどでもないようだけれど、どうやら怪我をしているらしい。気を失っていたのもこの怪我が原因だろうか。
以下略



6: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2014/04/27(日) 18:32:52.06 ID:lPewk7BX0

『アーハハハ……』

「この声……」

以下略



7: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2014/04/27(日) 18:35:02.68 ID:lPewk7BX0

(そうか、今日は……)


 あの化け物を倒すために、グリーフシードを集め、仲間たちとともに作戦を練ったりするなどして様々な準備をしてきたのだった。そして今日はあの化け物……“ワルプルギスの夜”が現れる日だ。
以下略



8: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2014/04/27(日) 18:37:46.44 ID:lPewk7BX0
(どれくらい気絶してたのかしら……。早く加勢しないと)


 戦況を確認するためにも、取りあえずワルプルギスの夜の方を見てみた。風雨のせいで視界が良いとは言えないが、幸い周囲に大きな建物がなかったため、その姿を視認するのは容易だった。ただ、見えるのは魔女と使い魔たちだけであり、それと何かが戦っている様子はない。

以下略



9: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2014/04/27(日) 18:38:41.18 ID:lPewk7BX0
 そう思い、私がワルプルギスの元へ向かおうとすると――


「……す、けて」

以下略



10: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2014/04/27(日) 18:40:30.55 ID:lPewk7BX0
「えっ?」

「たすけ、て」


以下略



11: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2014/04/27(日) 18:41:42.65 ID:lPewk7BX0

「死にたく……よ、……す、けて」


 消え入るようなか細い声で、少女はうわ言のように何かを呟いている。その内容は風の音のせいもあって、ほとんど理解できなかった。ただ、死への恐怖、生への未練、そして苦痛から逃れたいという意志だけは痛いほどに伝わってきた。
以下略



12: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2014/04/27(日) 18:43:43.53 ID:lPewk7BX0
(避難警報は出ていたはず、なのに)


 少女の亡骸を横たえ、開いたままの目を閉じてやる。
 名前も知らないし、顔に見覚えがある訳でもない。彼女は全くの赤の他人だ。けれど目の前で一人の人間が苦しみながら死んでいったと言う事実は、十分にショックなものだった。
以下略



13: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2014/04/27(日) 18:46:17.49 ID:lPewk7BX0
 
 荒れ狂う風の音に混じって声が聞こえてくるのだ。一瞬、少女が息を吹き返したのかと期待しその方を見たけれど、違った。彼女は横たえた状態のまま空を仰いでいるだけで、微動だにしない。


『助けて……』
以下略



14: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2014/04/27(日) 18:47:28.98 ID:lPewk7BX0

(何で……どうして、こんな!)


 そこには凄惨な光景が広がっていた。
以下略



15: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2014/04/27(日) 18:50:04.59 ID:lPewk7BX0

「そん、な……」


 それらの事実を理解した途端に、全身から血の気が引いて行くのが分かった。
以下略



16: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2014/04/27(日) 18:52:08.17 ID:lPewk7BX0
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「タツヤ、大丈夫?」
「うん、だいじょぶ。ねーちゃは?」

以下略



17: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2014/04/27(日) 18:53:24.48 ID:lPewk7BX0

「パパと、ママは?」

「パパと……ママはね……」

以下略



18: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2014/04/27(日) 18:55:32.43 ID:lPewk7BX0

「かえってくるよね?」

「……」

以下略



19: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2014/04/27(日) 18:56:22.46 ID:lPewk7BX0
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 私はこれまで幾度となく失敗してきた。その意味も、そしてその失敗がどんな結果をもたらすのかも理解しているつもりだった。けれど、その結果をこうしてまざまざと見せつけられ、かつてないほどに打ちのめされていた。

 気づけば盾の砂はすべて落ち切っていた。もうこの世界であの魔女を倒すことはできない。仮に奇跡が起こって倒せたとしても、それは最悪の結末を導くだろう。今私にできることは、盾の砂時計を反転させて次の世界へと行くことだけだ。
以下略



20: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2014/04/27(日) 18:57:25.28 ID:lPewk7BX0

「嫌だよ、こんなの」


 認めたくなかったのだ。
以下略



21: ◆/WV6dTMwLXv/[saga]
2014/04/27(日) 18:58:39.60 ID:lPewk7BX0
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「キュゥべえ」

「やあ、待ってたよ。鹿目まどか」
以下略



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