1: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/04/28(月) 01:40:36.37 ID:1d1jjyNR0
お腹が減っていた。
とにかく自分は今お腹が減っている。
朝からハードなダンスレッスンで、しっかり食べたはずの朝食のエネルギーは既に空になっていた。
そのレッスンも調子が良かったせいか長引いてしまい、今はお昼時を疾うに過ぎている。
お陰で今、かつてない程の空腹に見舞われていた。
響「何処か……何処でもいいから何か食べたいぞ……」
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2: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/04/28(月) 01:40:59.37 ID:1d1jjyNR0
レッスンスタジオから事務所へ帰る途中、空っぽになった胃を抱えて通い慣れた道を歩いていた。
既に先程からお腹は切実な鳴き声を上げて空腹を訴えている。
文字通り痛いほどに。
3: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/04/28(月) 01:42:01.53 ID:1d1jjyNR0
最近になって出来たばかりなのかお店の外には花輪がいくつか立てられていた。
自動ドアが開き店内に入るとそれなりに繁盛しているらしく席はほぼ埋まっている。
店員「いらっしゃいませ、1名様でよろしいでしょうか?」
4: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/04/28(月) 01:42:38.72 ID:1d1jjyNR0
変装用の帽子を脱ぎ、心境が口をついて出る。
そこへ店員さんがお茶を運んできてくれた。
開店して間もないお店でまだ慣れていないのか、その所作は何処かたどたどしく危なっかしくもあった。
5: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/04/28(月) 01:43:21.45 ID:1d1jjyNR0
とんかつだけの定食や、エビフライなどの他の揚げ物も一緒になった物、他にもカツ丼やメンチカツなんて物もあった。
じっくりメニューとにらめっこして、自分の食べたい物を決める。
暫くそうして、メニューを閉じ手を呼びボタンに伸ばす。
6: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/04/28(月) 01:43:50.19 ID:1d1jjyNR0
響「小でお願いします」
店員「ロースカツ定食の小がお一つですね」
7: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/04/28(月) 01:44:25.13 ID:1d1jjyNR0
店員「お待たせいたしました、ロースカツ定食です」
予定を確認していると定食が運ばれてきた。
大きなお盆に乗せられているのはメインであるとんかつと、キャベツ。
8: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/04/28(月) 01:44:54.08 ID:1d1jjyNR0
割り箸を割って、親指と人差し指の間に挟み両手を合わす。
響「いただきます」
9: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/04/28(月) 01:45:43.75 ID:1d1jjyNR0
豚汁をお盆に戻し、続いて浅漬けに箸を伸ばす。
キャベツときゅうり、ニンジンなどが小皿に盛られ、箸でひとつまみして口に運ぶ。
響「あ〜んっ……んむっ……はむっ」
10: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/04/28(月) 01:46:20.63 ID:1d1jjyNR0
適度に粒を残した状態で手を止め、そこにソースを流し込んだ。
箸で混ぜて軽く味見をする。
響「うんうん、いい感じじゃないか。やっぱり自分完璧だぞ」
11: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/04/28(月) 01:47:06.45 ID:1d1jjyNR0
肉汁でてらてらとしたお肉に塩が付いている。
どんな味になるのか期待しながら口の中に放り込む。
響「あむっ……んむっ……ん!?」
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/04/28(月) 01:48:02.39 ID:YYBtzVdAO
腹減ってきたんだけど…
13: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/04/28(月) 01:49:28.64 ID:1d1jjyNR0
響「塩だけなのにこんなに旨いとは思わなかったぞ……」
あまりの出来事に白米を食べるのを忘れる程だった。
続いて自分で作ったとんかつソースに浸けて、ご飯と一緒に食べる。
14: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/04/28(月) 01:50:02.85 ID:1d1jjyNR0
気がつくとお肉は半分ほど、キャベツも8割消化してしまった。
茶碗のご飯はもうあと一口といったところである。
とりあえず今あるご飯を食べきってしまい、呼び出しボタンを押した。
15: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/04/28(月) 01:50:58.51 ID:1d1jjyNR0
響「はむっ……あむっ……ずずっ……んぐっ……」
狭いお盆の上を右往左往する箸。
最後のひと切れのとんかつとご飯を咀嚼して嚥下し、見事完食。
16: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/04/28(月) 01:51:49.74 ID:1d1jjyNR0
すっかり冷めてしまったお茶を飲みながら一息ついていたが、時計を見ると結構時間が経っていた。
焦る訳ではないが、家族達がお腹を空かせているかもしれないと思い、伝票を掴んでレジへと向かう。
店員「お会計1054円になります」
17: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/04/28(月) 01:52:47.11 ID:1d1jjyNR0
軒先に飾ってあった花輪をもう一度見てみる。
チェーン店なのか他地域の同名のお店からだったり、本部と思しき所から届いているようだ。
なんとなく自分達のライブに対して、企業やファンの有志から贈られる花を思い出す。
18: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/04/28(月) 01:55:00.50 ID:1d1jjyNR0
終わりです。
晩ご飯がとんかつだったので書いてみました。
美味しかったです。
とんかつに塩は初めて食べた時にビックリしたのを覚えています。
19: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/04/28(月) 01:55:55.99 ID:1d1jjyNR0
>>12
何よりの褒め言葉です。
ありがとうございます。
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/04/28(月) 01:56:14.81 ID:fAccjY11o
乙
なかなか美味しそうだったよ
とんかつ以外も見てみたいな
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/04/28(月) 01:59:53.65 ID:PaIpUOixo
こないだ貴音炒飯書いてた人か?
書く時間考えろよ腹減っちまったじゃねーか
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