23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/04/30(水) 20:30:09.44 ID:Jt/5r6cB0
「秋月さん!」
「う……!」
羽川さんの声で目が覚めた。
場所は旅館の一室。
目の前には心配そうに私を覗き込む羽川さんがいた。
「あ……羽川、さん」
「大丈夫? すっごくうなされてたよ?」
「く……あ……」
さっきのは何だったのだろう。
頭痛がひどい。
寒気がする。
湯冷めでもしてしまったのだろうか。
視界にノイズがかかっていて良く見えない。
まずい。本格的に風邪を引いてしまったのかも知れない。
旅行先ではしゃいで風邪を引いたなんて情けなさすぎて笑い話にもならない。
昨日の夜は確か――。
――あれ?
私、『昨夜はどうやって寝たんだっけ』?
思い出せない。
そんなことまで思い出せないくらい、私は重症なのだろうか。
「気が付いた? 秋月さん」
「羽川……さん……」
ううん、違う。
だって私は、昨日どうやって新幹線に乗ったのかも覚えていないし、折角旅行に来たと言うのに食事をした覚えもない。
覚えていないんじゃない。
そんな事実がないからなんだ。
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