34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/04/30(水) 20:43:56.92 ID:Jt/5r6cB0
「失礼な奴だな」
「そう思われないよう、日々の行いを改めてください」
僕と秋月がいつものやり取りをしていると、羽川が微笑ましいものを見るような目でこちらを見ていた。
「じゃあね阿良々木くん、私もう行くから」
と、席を立つ羽川。
「もっとゆっくりしていけよ」
「ごめん、もう行かなきゃいけないんだ」
「そっか、疲れたら戻って来いよ。うちの事務所ならいつでも全力でお前を受け入れる」
「アイドルはいいかな……阿良々木くんに仕事だから仕方ない、とかいう建前でいやらしい恰好させられそうだし」
「確かに……」
「おい」
世界には、羽川を待っている人が大勢いる。
出来ることなら羽川とずっと一緒にいたいものだが、この才能の塊のような人間を一部の人間だけのものにしてはいけない。
羽川が海外に行く、と聞いた当初は羽川の(ついでに僕の)正気を疑ったが、それも今となれば海外に出て当然だと思えるから不思議だ。
人が全力で自分に留められるのは、人生で精々一人が限界なのだ。
僕にとってのそれがひたぎであったように、羽川にもいつかそういう人間が現れるのを待とう。
そして、全力で応援してやろう。
羽川は秋月に連絡先を渡すと、じゃあね、とだけ言って出て行った。
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